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2012年01月10日

震災復興は誰のために

震災関連報道で仙台の現状が報じられていた。
震災関連工事などの特需で仙台市国分町あたりの歓楽街はバブル期以来の活況だそうだ。
客の中には一晩で100万円単位の豪遊をするものもいて、タクシーも例年より3割増の売上だと報じていた。
銀座や北新地での一晩100万円は珍しくないのだろうが、仙台の客単価を考えるとこれはものすごい数字である。

客の多くは震災関連工事の関係者らしいが、地域にどんどん金を落とすのは良いことなのだろう。

でも、違和感がある。

この震災復興事業は喫緊の課題であり、激寒の中で不安な日々を送る被災者のために一日でも早い復興を成し遂げてあげたいことに異論はない。

しかし総額19兆円に及ぶ政府復興関連予算は国民全員が所得税や地方税の負担、消費税の負担などにより、身を削って出し合っていくのだ。
この負担は真に復興を願うためのものであり、脂ぎった土建屋のおっさんがキャバクラで散在するために出す金ではないのだ。

東北では、工事を請け負う業者の不足や資材の不足による工事代金や資材価格の高騰が起こっている。
この背景には現地の行政がかつて経験したのとのない予算の存在がある。
例えば、宮城県の復興予算は23年度一次補正により、7,158億円が追加補正され、24年度と併せて3兆7,754億円の予算が組まれている。
今後10年間では約13兆円の予算が復興関連事業に使用される。

これらの財源は、宮城県が地方債を発行して、その償還を国が行う震災復興特別交付税や資金使途が自由な復興交付金により、その大半が賄われる。
宮城県の通常予算が8,400億円(23年度一般会計当初予算)であることを考えるとこの金額の大きさが分るし、この通常予算にも毎年の公共事業関連予算が含まれるので工事関連予算は更に膨らむ。
また、事業者が機械や工場の再建をしたり、住民が自宅の建て直しをする金の一部には補助金が支出されるが、残りはこの予算とは関係のない民需であり、この金額も多額である。
平成23年度の国の公共事業予算は総額で4兆9,743億円であるから、宮城県だけでほぼ日本国の公共事業に対抗できるほど、この予算規模は巨額なのである。

何度も言うが、復興事業を否定するものではない。
しかし、震災復興という言葉を免罪符にして、適正な積算や業者選定が行われず、予算のばら撒きが行われているとしたらどうだろう。
仮設住宅建設の作業員の日当は6万円である。
瓦礫処理は3万円だ。
この価格にはそれなりの理由があるのだろうし、仕事を失った人たちに渡るのなら許される。

しかし、この金を多くの暴力団が吸っていることも事実なのだ。
実際に、大阪西成区の暴力団(K組や旧O会)は萩之茶屋の駅前で労働者をトラックに載せ、東北へ搬送して大儲けをしているのだ。
1日の日当15,000円(西成では破格)で集められた労働者は、飯場へ住み込まされる。
そして施主や元請から支払われる瓦礫処理の日当30,000円のうち、半額である1万5千円をピンはねされ、食事代と称して毎日1,000円が引かれ、作業服貸賃が月に5,000円、挙句の果てにはタオル代やスリッパ代と称して金を搾っていくのだ。
手許に残った僅かな金もノミ屋やサイコロ賭博などで巻き上げられる。

宮城県の村井知事は定例会見の中で、「再生をしようとしている企業の皆さんが工事を発注してもなかなかやってくれる業者がないのです。やっと見つけたら、非常に価格が上がっています。」と発言している。
業者を選定する状況にないのだ。
県や自治体が発注する事業についても同じことなのだろう。

まさに売り手市場なのである。

震災は国民全体を襲った悲劇である。
工事関係業者が久し振りの特需に沸きかえることも理解できるし、適正な利潤を確保することに何の異議もない。
しかしながら、ゼネコンなど工事関係業者も国民の一人として震災復興に向けて最大限の協力をして、「薄く広い利益」の観点で協力して欲しいものだ。
我々国民が増税を通じて込めた東北への思いは、暴力団の懐を潤したり、土建屋が成金になって歓楽街で豪遊するためのものではないのだ。

全国では工事がなくて苦しんでいる業者も多い。
国は、全国的な規模による資材調達や工事分担を目指すべきである。
直接の工事発注者は、暴力団排除に加え、透明性のある積算と業者選定を開示すべきだし、出来ないのなら国が統一工事基準の適用の徹底を図るなどの施策も必要だろう。

来て欲しいのは東北の春であり、土建屋の春ではない。
posted by 8ちゃん at 10:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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