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2012年02月07日

輸入食材と放射能

福島原発の事故以来、放射能、放射線、セシウムなど、原発関連の単語が国民の耳に染み付いた感がある。
年齢層の高い世代にとっては、世界唯一の被爆国として潜在的に核や放射能への恐怖感もあるのだろう。
砂や礫に残ったセシウムが生コンとなって、建築現場に使用されたとか、福島産の米や野菜に含まれる放射性物質の残留値が連日報道されている。
放射性物質が身体にどのような影響があるのか、また、その限界被曝量はいくらかなど、「見えない」部分が多いことも不安を煽り、過剰反応を引き起こしている原因だろう。

何事にも過剰反応するのが、我が国が誇る「OBASAN(又はOBAHAN)」達で、一部の食材から放射能の残留が計測されたとの報道があれば、日本中の野菜や牛肉が放射能汚染されたかのように大騒ぎして、「食べるものがない。」などと言いながら、ちっとも瘠せないのだ。
国内産の牛肉は危険だということで、輸入牛肉などが良く売れているそうだ。
このため、イオンなど大手量販店では輸入牛肉などのスペースを拡大しているようだ。

つい数年前のBSE騒動の時は、主婦達は、牛肉や農産物は「国産牛肉しか買わない。」とか「アメリカ産牛肉は危険だから輸入するな。」とか、意味も解らず「プリオン、プリオン」と叫んでいたのに…。

さて、モテモテの輸入食材だが、確かに安価だし、見た目には日本の食材と何等変わらないのだが、こいつらは本当に安全なのだろうか。

日本の食品衛生法11条では、「厚労大臣は、食品若しくは添加物の製造、加工、使用、調理若しくは保存の方法につき基準を定める。」としており、これを受けて厚労省告示370号(昭和34年12月)において、「食品を製造し、又は加工する場合は、食品に放射線を照射してはならない。」として、食品の製造過程などにおける放射線照射を禁止している。
ここで言う放射線とは、アルファ線、ガンマ線、中性子線などほぼすべての放射性の電磁波や粒子線を指している。
唯一の例外として、ジャガイモの発芽防止のためにコバルト60(ガンマ線)を150グレイまで、1回だけ照射できるが、その場合は、表示が義務付けられる。

ところが、欧米や日本を除くアジア全域では、食品の「寄生虫除去」や「殺菌」を名目に放射線の照射を認めている国が殆どなのだ。
照射が行われている国は、ベルギー、フランス、ハンガリー、オランダ、ウクライナ、デンマーク、フィンランド、イスラエル、ノルウェー、アメリカ、クロアチア、アルゼンチン、バングラディッシュ、チリ、中国、イスラエル、フィリピン、タイなど、ほぼ全ての日本の貿易相手国である。
照射食品も、穀類、タマネギ、ジャガイモ、ニンニク、冷凍魚介類、肉類、香辛料、果物など全食材に及んでいるのだ。

照射食品は、その始まりは軍需用として考え出された。戦地で食品の長期保存を狙ったものだったが、アメリカでは1960年代に、安全性の問題から使用が全面的に禁止された経緯を経て再度復活しているのだ。

放射線を照射すると、ジャガイモやタマネギ、ニンニクは芽が出なくなり、芽が伸びて食べられなくなったりしない。
パパイヤやマンゴーなど熱帯の果物や野菜の熟度を調整したり、イチゴやミカン、魚やソーセージ、ベーコンなどは保存期間が長くなる。
小麦粉や米など照射すると、付いていた害虫の遺伝子が壊れたりして、虫が死んだり、不妊化したりするし、肉や魚やスパイスについている菌を殺して、殺菌することもできる。 ウイスキーや焼酎などは、熟成促進にも使えるのだ。

でも、検疫所でチェックするから、放射線を照射した食材は日本国内には入ってこないのではないのか。

ところが、そうはいかないのである。

検疫所というところは、厚生労働省所管のものと農林水産省所管のものがあるが、食材に関する検疫は厚生労働省の所管である。
全国に13箇所ある厚生労働省検疫所は、港や空港といった国の玄関口にあり、職員の総数は896名である。
このうち、食材の検疫に従事する職員は397名で、他は伝染病などの検疫業務に携わっているのだ。

膨大な輸入食材に対して、この人数で何が出来るというのか。

検疫の実態を覗いてみると、平成21年度に輸入の届出(食材を輸入する場合は届出義務がある。)があった件数(数量ではなく件数)は1,821,269件で、このうち抽出による検疫が実施できたのは86,461件に過ぎない。
この抽出による検疫とは総輸入物から一定割合のサンプルを抽出して中味をチェックするものだが、そのサンプリングにはルールがあって、例えば、50個以内の荷物なら3個と決まっている。
個数が増加すれば、500個につき13個などと、サンプル数も増加するが、最高でも35,000個を超える輸入物に対して、50個の抽出なのである。

また、検査項目は多岐にわたるが、使用禁止農薬のチェックなどに時間を割いているのが現状である。

それでもサンプルを抽出して検疫しておればいくらかはましなのだが、驚くことに放射線に関しては食品衛生法により食材への照射が禁止されているのにもかかわらず、殆どの輸入食材が検疫の対象にもなっていないのだ。

検疫の対象となるのは、野菜や果実、香辛料など16種類に過ぎず、肉類や米、小麦など他の大部分の食材は、放射線に関して、全くノーチェックなのだ。
しかも、数少ない検疫対象食材も検疫の方法といったら、食材を直接チェックするのではなく、食材に付着してきた土を調べているに過ぎない。
これは、土に含まれる鉱物に残された放射線の照射痕を調べる方法しか確立されていないからなのだ。

何とも怖い話ではないか。

放射線の人体への影響については、誰もその答えを知らないため、コバルト60やセシウム137のような放射性物質から出る放射線や、あるいは電子加速装置からでる電子線を食品にあてることで、どのような人体への影響が、どのくらい先に発生するのか知らないまま、我々は、毎日輸入食材のお世話になっているのだ。

放射線は、照射すれば、食材の菌が死んだり、芽が出なくなるのだから、具体的には遺伝子が破壊されたり、変質するということかもしれない。
コバルト60やセシウム137の強い放射エネルギーが、原子核の回りをまわっている電子を吹き飛ばすことは分かっているので、それによって、遺伝子が破壊される可能性は高いのだ。
ひょっとしたら、遺伝子中に新しい物質が生成されたりはしないのだろうか。
放射線が、毒性をもった新物質を生成していたとしたら、何が「殺菌のため」だ。

そこまでして殺菌や発芽防止をしてくれなくてもいいのだ。

大規模農場経営のアメリカなどにとっては、輸出先が世界中に拡大しているため、腐らず、雑菌にも犯されず、日持ちがして、収穫から長期間の販売期間や輸送期間を得られる放射線の照射はありがたいのだろう。

因みに、アメリカの上流社会では、牛肉はオーストラリア産しか食べないそうである。
もちろん、アメリカ産牛肉の90%以上が、飼料に、EUで使用禁止とされている性ホルモンを使用していることもその理由だろうが…。

福島、福島と騒ぐ前にもっと怖い現実に目を向けてはどうだろうか。
posted by 8ちゃん at 18:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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