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2012年02月15日

市民に化ける暴力団

千葉県の東金市(とうがねし)にあるファミリーレストランのデニーズで、(元)住吉会系暴力団員の古川義明が射殺された。
犯人は石川富雄こと鄭龍範で、千葉県警が事件翌日に指名手配をしている。
未確認情報によると石川容疑者は、山口組系の(元)暴力団員ということになっている。
こんなに早い段階で指名手配が可能なケースは、裏付け捜査などが不用となるほどの容疑者の特定が可能なケースであり、被害者の古川が、死亡する前に石川容疑者の名前を警察に告げたのだろう。
また、容疑者が拳銃を所持していることから、2次犯行の防止や住民への警告、目撃情報の収集が目的であろう。

この被害者の古川義明という男は、過去に死亡交通事故を2回引き起こしていて、そのうち1回は轢き逃げである。
事故当時の古川の肩書きは「自称不動産業」であったが、今回は「自称」がとれて不動産業に昇格しているのだ。

古川が元住吉会系の暴力団員であったとする情報はほぼ間違いなさそうだが、加害者の石川冨雄が山口組系の暴力団員であったかどうかは不明である。
しかしながら、32口径の拳銃を所持していたのだから堅気ではないことは間違いなさそうだ。

因みに、32口径の拳銃は0.32インチ(7.62〜7.65ミリ)の口径の銃身を持つ拳銃で、FNブローニング、ワルサーPPKやトカレフが代表的な32口径拳銃である。
トカレフはロシア製の自働拳銃だが、中国製の模造品が30万円〜40万円程度で取引されているようである。

千葉県の暴力団勢力は、平成22年末現在で約2,500人(構成員約1,100人)で、このうち、指定暴力団の勢力は、千葉県公安委員会が独自に指定した双愛会のほか、住吉会、稲川会、山口組、極東会、松葉会が約2,400人を数え、県下最大組織の住吉会が全体の約43%を占めるなど、指定暴力に所属する者が千葉県の暴力団員全体の約96%を占めている。
大まかには千葉県北部では住吉会が、東部では双愛会が勢力を保持しており、西部は稲川会の勢力が強い。
東金市はこれらのほぼ中間に位置する。

今回の事件は、犯行が行われたテーブルに不動産登記簿などが置かれていたことから、不動産がらみのトラブルではないかとみる向きもある。
確かに、トラブルの根本原因は不動産に関するものかもしれないが、報道から伝わる犯行の様子を考えると、容疑者である石川富雄こと鄭龍範は、
@ 事前に拳銃を準備していたこと。
A 至近距離とはいえ、1発で相手を殺害していること。
B 極めて短時間で犯行を実行し、逃走していること。
C 石川の年齢が65歳であること。
などを考えると、報酬を貰って仕事を請け負った可能性もないとは言えないのだ。

今後、石川容疑者は、逃走している間は組織から狙われ、逮捕されて投獄されれば、重篤な病気による刑の執行停止を除けば、生きて社会復帰することは無いだろう。
それを覚悟の上の犯行であったと考えられる。
暴力団はチャカ(拳銃)を使用した段階で、相手方からの報復か長期の服役を覚悟しなければならないのだ。

ところで、今回の事件報道では、両者とも暴力団員の前に「元」がついている。
これが、現役の組員であったなら、代紋違いの殺人事件であり、大きな抗争に発展する可能性もあるのだ。
最近のニュースでも「元暴力団員」という肩書きがやたら目に付くようになった。
暴対法が施行されて11年になろうとしている。
昨年の10月には、全国の都道府県全てに暴力団排除条例が定められ、千葉県でも昨年の9月1日に同条例が施行されている。
昔なら暴力団がシノギ(仕事)をする場合、大きな組織の肩書きは有効な交渉道具となっていたが、現在では、指定暴力団の暴力を背景とした行為(行為と認められるもの)は中止命令の対象となるばかりか、中止命令なしで逮捕できるのだ。
枝(末端組織)の小さなトラブルでも本部事務所や幹部自宅への家宅捜索も可能となっている。

実際のところ、指定暴力団などの肩書きは仕事上ではマイナスとなるケースの方が多くなってきている。
このため、各暴力団では不動産や金融と言ったビジネスに関与している構成員を「破門」とか「除名」といった名目で切り離し、組織との関係を糊塗しているのが実態だ。
破門や除名は、絶縁とは違って何時でも組織に戻ることが出来る便利な制度である。

警察は、暴力団員の組織からの脱退を推進している立場であるから、指定暴力団の構成員が捜査4課の捜査官に「組織を抜けました。」と言ってくれば、「よし。よし。」と言って頭を撫でるしかないのだ。

こうして偽装脱退した暴力団員は、社会に塗れて堅気を装ったビジネスをしている。
今回のデニーズでは、被害者が4人の仲間を連れて食事に来ていたようであるが、「元」暴力団員は堅気を標榜しているのだから、ファミレスにやってきても良いのだ。
スーパーでお買い物をしても良いのだ。
ジャンケンをすると、チョキとグーしか出せないかもしれないが、そんなことは気にしない。
夏も我慢して長袖のシャツを着ていれば、唐獅子牡丹や昇り竜は静かにしているのだ。

でも、この偽装堅気の本籍は暴力団なのである。

市民の中に暴力団員が紛れ込み、暴対法の届かないところで、暴力装置を背景としたビジネスが堂々と行われているかもしれないのだ。

posted by 8ちゃん at 16:57| Comment(1) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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