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2012年04月24日

EUはスペインを助けるのか

23日のニューヨーク市場は、欧州の政局に対する懸念が強まり、優良株で構成するダウ工業株30種平均は前週末終値比102.09ドル安の102,927.17ドルとまで下落した。
オランダのルッテ首相が財政健全化政策を巡る混乱から、内閣総辞職の意向を表明したほか、注目されるフランス大統領選挙の第1回投票で最大野党である社会党のオランド前第1書記が首位になり、現職のサルコジ氏が2位と苦戦したことから、EUの弱体化を懸念したのだろう。

ギリシャ問題は、まだまだ予断を許さない状況にあるが、スペイン、ポルトガルも債務問題や失業率の高さから、ギリシャ問題以上の深刻な状況にあるのだ。
特に、スペインのGDPは、世界第12位の1兆4000億ドルであり、この数字はギリシャの5倍に達している。
しかも、スペインの失業率は22.9%とギリシャの21.8%よりひどく、若年層は、就労可能人口のほぼ半数が失業しているなど、極めて深刻な状況が続いているのだ。

ギリシャ問題でもクロアチア議会が一旦はギリシャへの財政出動を拒否したように、EU内の各国は、協力しつつも、それぞれ独自の政治判断をすることができる。
EUは、統一通貨を持っているものの、それぞれ、主権を持った国家なのだということを忘れてはならない。。

EUは、統一通貨を持つことで、為替リスクを排除して、EU内の統一金融政策による低金利を域内新興国に付与し、先進国は、安価な労働力を使って競争力を上げることが出来るメリットがある予定だった。

ところが、ギリシャのような国は低金利で調達した資金を湯水のように使ってしまい、これに関連して銀行は不良債権を急増させている。
結果、自国の緊縮財政だけでは対処出来ず、ドイツなどからユーロ中央銀行への資金負担により、乗り切ろうとしている。

さて、スペイン、ポルトガル

ギリシャ支援の際、各国の財政負担を巡る交渉は、大変な難交渉となった。
それでも、ギリシャはヨーロッパ文明発祥の地であり、EUの基本理念である米国に対峙するためにも、欧州のアイデンティティーとして切り捨てるわけにはいかなかった。

一方、スペインやポルトガルはどうか。
スペイン、ポルトガルは、EUから見れば、新参者である。
EUの前身であるEECは、1958年に西ドイツ、フランス、イタリア、オランダ、ベルギー、ルクセンブルグの6か国でスタートしている。
その後、1973年に英国、デンマーク、アイルランド、1981年にギリシャが加盟しているが、スペイン、ポルトガルが加盟したのは、つい最近の1986年になってからだ。

スペイン、ポルトガルは、イスラム教徒が8世紀から15世紀まで長期間、政権を握っていた。
15世紀終末の1492年になって、イザベラ女王が出て、やっとイスラム支配から脱出したものの、ヨーロッパでは完全に孤児であった。
イザベラは、コロンブスなどによる西回り航路で、南北アメリカ大陸を発見し、その植民地経営で富を得るものの、1588年には、無敵を誇った海軍がイギリス艦隊に敗れ、衰退していくのだ。

ポルトガル(1640年)、オランダ(1648年)はスペインから独立した国だ。
その後、フランコ将軍による軍事独裁政権が長く続き、フランコ死後の1978年(昭和53年)になって、ようやく民主的な政権が確立されている。

つまり、他のEU加盟国にとっては、スペインやポルトガルは、身内ではないのだ。
因みに、オランダはナポレオン時代にフランスに組み入れられ、その後、イギリスの庇護を受けた歴史から、EU内では身内扱いされている。

そのスペインやポルトガルが、財政危機に陥りギリシャと同様の支援が必要となった場合、経済規模の問題も含めて、EUの各国が、団結して支援に回るのだろうか。
EUがスペインやポルトガルに資金援助をしない場合は、EU全体の構造が崩れ、それは世界経済にとんでもない影響を与える可能性が高いのだ。

日本では、驚くほどスペインやポルトガルの財政危機に関するニュースが少ない。
ギリシャ問題をはるかに凌ぐこの問題よりも、AKB関連のニュースが優先される不思議な国なのだ。
posted by 8ちゃん at 11:01| Comment(4) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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