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2012年05月28日

東京電力の闇 (その3)

東電は、柏崎刈羽原発を再稼動しなければ、家庭用15.87%、企業用24.79%という大規模な電気料金の値上を仄めかせている。
勿論、再稼動がない場合でも、家庭用10.28%、企業用16.39%の値上をするつもりなのだが。
これらの話は、高額な電気料金を支払うのが嫌なら、原発を再稼動させなさいという電力業界からのメッセージなのだろうが、この料金値上げの根拠も、総額原価方式による天然ガスなどの火力原材料費の増加である。

ところで、このような経緯で価格設定して、国民から集金した電気料金を東電は、いったい何に使っているのだろうか。

東電の24年3月期の決算短信において目立つ数字がある。
東電の経営が苦しい中、数字を減らしているのが、社債や借入金なのである。
24年3月期における銀行などからの融資金は、長期借入金については23年4月から24年3月までの間に、2183億円も返済し、短期借入金も9526億円を銀行にホイホイと返しているのだ。
このほかにも、実質的には銀行がほぼ全額引き受けている電力債などの社債も5489億円が償還されている。
さらに、東電が銀行から借り入れた融資金に関する借入利息についても、東電から銀行へなんと1299億円もの巨額の利息が返済されているのだ。

融資返済金の中には、借り換えもあるので、残高ベースでは概要が把握しにくいが、少なくとも、原発事故による東電の経営内容の悪化のツケは、貸し手責任のある金融機関ではなく、消費者に向けられていることは間違いないのだ。

こんな中、東京電力の高津浩明常務が、東電の45%関連会社である東光電気(東証1部)の社長に就くことになった。
東電の有価証券報告書によれば、東電には連結対象の子会社が71社、関係会社が40社あるのだが、実態は同意子会社だが、持分法非適用のものも多数存在する。
これらの関係会社等は、東電からの受注を唯一の業務としているものも多く、東電本社や経済産業省からの天下りの受け皿となっているのだ。
こうして、原発事故の責任を取るべき経営陣は、原発被害者や放射能の中で作業を続ける東電の一般従業員を置いて一目散に逃げ出し、次の会社でヌクヌクと生き延びるのだ。

ここまで、東電を巡る闇の部分を書いてきたが、こんな話は日本中の電力会社にも当てはまることなのだ。

最近、毎日新聞のスクープでは、原子力発電を巡る使用済み核燃料を再利用する核燃サイクル推進側による秘密会議が継続的に開催されており、何と、中立のはずの内閣府原子力委員会の近藤委員長がこの推進派の会議にずっと出席していたらしい。
当時の座席表には、同委員会の斎藤伸三委員長代理ほか推進派の委員だけが出席し、反対派や中立派の委員にはこの会議の存在自体が極秘だったのだ。
しかも、この秘密会議には、資源エネルギー庁の安井正也原子力政策課長や文部科学省の渡辺格原子力課長といった役人のほか、東京電力や関西電力の幹部が出席していたのだ。

こんな、不透明な、電力業者主導の会議によって、日本の電力行政は進められてきた。
そして、今も、電力会社や電力労連からの資金や票に頼ってきた自民党や民主党には、何も期待できない。
原発反対だけを呪文のように唱える他の政党にしても、ポスト原発の夢物語はあっても、具体的な対案はない。

そしてこのまま、時間だけがむなしく経過してゆき、人々の記憶から忘れられた矛盾が、また、大手を振って歩いていくのだろうか。
posted by 8ちゃん at 11:29| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月25日

東京電力の闇 (その2)

家庭向けの電気料金は、発電に必要な費用に一定の利益を加算した総括原価方式というものを使う。
この総括原価方式については、今回の東電の事故以来メディアでも多く取り上げられてきたが、国民の多数が完全に理解しているとは言い難い。正確には、理解しようとしても、とうてい理解できないものなのだ。
そして、この総括原価方式による電気料金の決め方が、電力会社の生命線であり、儲けを生み出す魅惑のシステムなのだ。

総括原価方式とは、簡単に言うと、電気事業者が建設する発電所などの資産の量と原材料費など経費の合計に一定の報酬率(現在は3%)を乗じて、利益を確保するシステムである。
だから、施設をたくさん持っていれば持っているほど利益が上がるという仕組であり、その施設も、例えば、総工費100億円の火力発電所よりも、総工費2000億円の原子力発電所を作ったほうが、利益率は同じなので20倍も儲かるのである。
ここで大切なポイントは、その施設が稼動して、損益分離点を越えた後、どれだけの販売実績を出せば、どれだけ儲かるというものではなく、単に値段の高い土地や建物を所有していれば、その価格に応じた利益が確実に得られることである。

だから、今、日本中で操業休止している原発も、利益面では決して休止していない。
この休止中の原発の土地や建物の価格ガが資産として自動的に利益計算のファクターになっているのだから、これはもう、寝ているだけで入園料が取れる動物園のコアラである。
いや、コアラは餌代が要るが、原発は餌代にも利益率を上乗せできるので、一緒にすると動物園関係者から叱られるのだ。

そして、こうして計算された電力会社の利益を含めた総額を家庭や企業の電力需要者に割り振っているのが、電気料金である。
したがって、電力会社は決して損をしないのだ。

さらに、この計算に加算できる原材料費には、使わなくなった使用済み核燃料も含まれる。
つまり、ゴミからも金が出てくるのだ。
これは、使用済核燃料は、再処理をしてプルトニュウムを取り出せる可能性があるので、ゴミではないとの理屈なのだが、現時点までに、日本では使用可能な再処理プルトニュウムなど、取り出せたことはない。
勿論、福島原発の事故処理費用も原価算入できる。

通常の企業ならば、売り上げの中身はコストと利益である。
企業は、利益を大きくするためにコストを一生懸命に下げる努力をするのだ。
そうしないと利益が上がらない
ところが、電力会社は人件費、燃料費、修繕費、社長とか役員の役員報酬に加えて、マスゴミへの広報活動や社員への福利厚生、政治団体への寄付までもが、総括原価方式では「原価」として認められているので、これらが消費者の支払う電気料に化けているのだ。

こんなシステムで計算された電気料金を我々は支払い続けているのだ。

国民が「こんな総括原価方式はアカンやろ!」と声を出し始めたら、東電は「リストラします。」と胸を張った。

「従業員の給料を減らします。」
「役員の報酬も半分にします。」
「株式や土地などの会社の資産も売却します。」

結果はどうだったのか。
何の罪もない従業員は、給料を642億円も減らされて、賞与も出ず、放射能の中で、黙々と作業を続けていたが、住宅ローンも滞り、高度な技術をもつ者が次々と退社していった。
半分にした役員報酬の現在の平均支払額は3000万円である。
元々の役員報酬の平均額が7000万円だったから、確かに「半減」しているのだが、国民をバカにしたとしか思えない数字だ。
株式や土地などの資産を売って、4148億円の売上があったと自慢する東電だが、利益ベースでは416億円の売却益に対し、売却損が451億円出たいるため、ネットでは35億円損をしたという、アホらしい結果になっているのだ。

結局、東電が用意できた金のほぼ全額は、原子力損害賠償支援機構からの交付金(2兆4262億円)だけなのである。

以上のように、原発事故の資金は政府や機構から調達し、何があろうと総額原価方式による利益確保に揺るぎのない東電の現金はいったいどこへ行ったのか。
東電の24年3月期の決算短信にその答えがあった。

次回へ続く。
posted by 8ちゃん at 13:10| Comment(17) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月24日

東京電力の闇 (その1)

東京電力の24年3月期の決算短信がでた。
なかなか、興味ある数字に目が行ったので、書いてみたい。
連結ベースの売上は、5兆3494億円で、対前年度比0.4%の落ち込みで、当期純損失が7816億円発生している。

販売電力量は節電もあって、8.6%減少して、2682億KWである。
販売した電力の量が大幅に低下しているのに、売上0.4%しか落ち込まないのは、結論から言うと、消費者が高い電気代を支払っているからだ。

マスコミは、東電の販売電力量と電気事業収入が全国平均とほぼ同じなのに、電気事業利益は家庭向けが91%であり、他地区の家庭向け69%に比べて、家庭からの料金収入に大きく依存しているとの論調が中心だが、そんなことよりも、原発事故のしわ寄せが全部国民に来ている話をすべきだろう。
この国民が大損している話は次回以降に述べたい。

さて、東電の決算に戻ろう。
最終的に、東電は、債務超過にはならなかった。
資産は毀損したものの、純財産は8124億円残ったとしている。
ところが、この純財産は、まだ貰っていない原子力損害賠償支援機構からの資金交付金1兆7636億円を貰えるものとして計算されたものなのだ。
交付決定が正式にあったわけでもない段階で、資産計上するのは、一般に公正妥当と認められる会計処理ではない。
この金がなければ、東電は95億円以上の債務超過なのだ。

どうして債務超過じゃいけないのか。
それは銀行が貸倒処理をしたくないからだ。

東電は銀行からの借入や銀行が引き受けた社債など銀行に約5兆円の負債がある。
各都市銀行の自己査定基準では、債務超過の会社は、要注意や要管理、場合によっては破綻懸念先に債務者を区分して、一定金額の貸倒引当金を計上することとなる。

例えば、銀行が東電に対する5兆円の債権の30%を貸倒引当した場合、その費用は1兆5千億円である。
50%なら2兆円である。
しかも、これは無税償却出来ないので課税されるのだ。
東電に金を貸している三菱UFJ、SMBC、みずほ3行の24年3月期における純利益合計は、1兆9843億円である。

つまり、東電が債務超過になると、大手銀行は赤字または、利益がほとんど出ない決算となる。
勿論、その場合は、銀行の経営者は巨額の不良債権を計上した責任を追及され、場合によっては更迭もあり得るのだから、銀行にとって、東電は債務超過にはなってもらっては困るのだ。

こうして、粉飾まがいの決算を打った東電だが、原発事故事故処理や損害賠償に加えて、天然ガスや原油の値上がり、為替の乱高下、節電による電力使用料の低下と四面楚歌の東電を救ったのは、例のシステムだった。

以下、次回に続く。
posted by 8ちゃん at 16:01| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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