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2012年06月01日

シリア

このところ、毎日のようにシリア関連のニュースが流れている。
政府治安部隊が、子供達を含む無抵抗の市民を虐殺しているとの報道が正確なものであれば、国際社会はシリアに対して無力なのだろうかと、気持ちが沈む。

2010年12月17日にチュニジアの失業青年が焼身自殺をしたことから始まった中東地区における反体制運動は、チュニジアの大統領を1ヶ月で国外に追放し、エジプトで30年間、独裁政権を続けていたホスニー・ムバラクを、これも1ヶ月で大統領の座から引きずり落としている。
リビアでは、半年間の内戦による多大な犠牲を代償にして、NATO軍の参戦により、カダフィ大佐の42年間の軍事政権に幕を下ろした。

メディアにより「アラブの春」と名付けられたこの反政府運動の波は、その後、イエメンでも政権を交代させ、アルジェリアで20年間続いていた非常事態宣言を解除させたほか、サウジアラビアの女性に初めて参政権が与えられるなど、中東は大きく変わっていったのだ。

現政権側にしてみれば、長期間、絶対的な権力を振るっていた指導者が次々と放逐、あるいは処刑される現実を前にして、各国の独裁者たちは、メタボの権化のように肥満した腹を震わせながら、「えらいこっちゃ」「ワシも危ないんとちゃうやろか」などと怯えているのだ。
このため、イラクでは政府が国民の電気代の一部を負担してご機嫌をとりだしたし、バーレーンでは、ハマド国王が国民に現金を配りだしたのだ。

こんな中、シリアでは、市民1万人以上を犠牲にした内紛が今も続いている。

シリアは複雑な国である。
隣接する国は、北にトルコ、東にイラク、南にヨルダン、西にレバノン、南西にイスラエルである。
いずれも問題のあるこれらの国と国境で接するシリアだが、イスラエルとは、過去3回も戦争状態になっており、その結果、イスラエルにゴラン高原を占拠されたままだ。
イラクとも国交断絶した経緯があるし、軍を進駐させるなど、蜜月の関係だったレバノンも同国の政変以降は対立関係にある。

シリアは、国内的には、人種ではアラブ人が85%、宗教ではイスラム教徒が90%と言ってしまえば、安定しているように聞こえるが、イスラム教徒のうち、74%を占めるスンニ派は、政権の位置になく、世襲大統領であるバッシャール・アル・アサドは、少数派のアラウィ派であり、政権中枢幹部も全てアラウィ派なのである。

少数勢力の政権が倒れたとき、多数派は少数派を駆逐するのが常である。
スンニ派「今まで、よおけイジメてくれたなー。」
アラウィ派「話せばわかる。話せば…。」
スンニ派「言いたいことはそれだけか」
などど、いうシーンになるのだ。
親日派で知られるアサド大統領は、反政府運動を抑え込まなければ、自身の身の安全が脅かされるのだ。

国連安保理事会では、シリアに対する市民への攻撃の中止、デモに参加して捕らわれた人たちの釈放、ホムスなどからの軍の撤退、平和的デモの自由の保障などを求めた決議案が提出されたものの、ロシア、中国の拒否権発動により、決議されていない。

アメリカは、パレスチナ過激派を支援していることなどを理由に、シリアをテロ支援国リストに掲載しているので、今すぐにでも、シリアに巡航ミサイルやステルスを飛ばしたいのだが、今のところアメリカ軍が直接的に軍事行動するには大義名分がない。
このためアメリカとしては、国連安保理事会がシリア非難を決議⇒シリアが決議違反⇒国連治安維持部隊の派遣といったプロセスを踏んで、「国連軍でーす。」と書かれたブルーのヘルメットをかぶって、シリアに乗り込みたいのだ。

一方、ロシアにしてみれば、シリアはロシア製の武器の大口需要者(ロシア武器輸出量の7%がシリア)であるし、長年かけて構築したシリア石油利権をアメリカに横取りされたくないのだ。
中国は、これを機会にシリアに恩を売って、中東進出の橋頭堡としたいのだろう。
元々、中国などという覇権主義に特化した非人道的な野蛮国を安保理の常任理事国としていること自体が間違いなのだが…。

さて、シリアはどうなるのか。
カタールやサウジアラビアは、シリアの反体制勢力への武器供与を進めることを公言しており、シリアの内戦は続くとの見方が多い。
これを回避するはずの安保理での停戦決議案の採択については、ロシアと中国の反対の意志は固そうだ。

アサド大統領は、シリアの民主化を進めていた時期もある。
公務員、政治家の汚職追放や民主化政治犯の釈放も行っていたのだ。
しかし、彼が今、行っていることは、明らかに国民への暴力、殺人行為であリ、国際社会からの放逐といった結果しか残せないはずだ。

現在の日本のアホ政治家の外交力では、この問題を解決できないのは目に見えているが、西側と呼ばれる国の中で、アサドとのパイプを持っているのが日本なのだ。
ここで、日本政府がシリア国民のために何か出来たら、少しは見直してやってもいいのだが。
posted by 8ちゃん at 18:00| Comment(13) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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