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2012年06月12日

消えていく風景 〜露店〜

今年の祇園祭では、露店の数を制限すると、京都府警が決めたらしい。
何も決められない日本の行政だが、こんなことはいきなり決めるのには驚くが、理由は祭りの雑踏防止だそうである。
事故でも起こったら、明石の花火大会事故のように責任を取らされるのを恐れたのか。

子供の頃、誰もが祭りを楽しみにしていた。
子供にとって、祭りの趣旨などはあまり重要ではないが、露店、屋台の楽しさが祭りのすべてと言っても良かったのだ。

たこ焼き、綿菓子、金魚すくい リンゴ飴、天津甘栗、ベビーカステラ、お面、くじ引きなど、小遣いのある限り、買ったり遊んだりしたものだ。
ひよこなんかを買って帰って、親に叱られた経験をもつ者も多いだろう。
私など、金魚を大量にすくって、密かに家の井戸(当時は神聖な場所)で飼っていたのが親に露見して、それはもう、エライ目にあったのだ。
最近流行の児童虐待防止用の「こどもダイヤル」とかがあったら、涙ながらに訴えたところだが、他に余罪も多く、担当者から「自業自得じゃ」とか何とか言いそうなので、やめておく。

その露店が祭りから姿を消しつつある。

暴力団排除の流れの中で、暴力団の資金源となる可能性があるという理屈らしいのだが、露天商は正業だ。
暴力団員に対して、「真っ当な仕事をしなさい。」と言っておきながら、それを邪魔するのか。
今後は、暴力団のシノギがますます地下に潜っていく方が心配だ。

現在においては、昔のように暴力団と露天商、的屋の明確な区分が曖昧になってきている。
構成員1400名、日本最大の的屋組織である極東会は、指定暴力団である。
東京都台東区寿に本拠を置く八代目飯島会は、純粋な的屋だと思うのだが、警察の呼び方は、的屋系暴力団である。

確かに、的屋と暴力団との間で、抗争も起こるし、的屋のにいちゃんの中には、風貌だけで十分逮捕できそうな怖い顔もある。
ただし、今でもフーテンの寅さんのように、全国の庭場(祭り会場)を旅する的屋も実際にいるし、その殆どはどこの盃も受けていない。

その的屋を祭りから締め出すところが多くなっている。
その影響だろうか、昨年の9月には西日本最大の的屋組織で、大阪市西成区の六代目山口組直若の小車誠会が除籍、解散となっている。
この小車誠会の店で売っていたベビーカステラは、私の評価では日本一であった。
そのままでも、勿論、冷めても味が落ちないのだ。
最近見かけないと思っていたら解散していたのか。

露店は平安時代から、その原型があったらしい。
いわば、日本の文化的遺産なのだ。
同じ文化的遺産なのに、的屋が、歌舞伎のように庇護されないのはどういうわけだ。
暴力が付きまとうというのなら、市川海老蔵のほうが、よほどタチが悪いのではないか。

これから、夏祭りの季節。
露店のない祭りなど、実につまらないだろう。
小さな祭りでは、清く正しいPTAのおばちゃん達が、露店らしきものを出すケースもあるが、予め配布したたこ焼き券や綿菓子券と商品を交換するのが殆どだ。
金魚すくいの「ポイ」にいたっては、やたら丈夫で、いつまでも破れなかったりするのだ。

小遣いを握り締めて、その範囲で買い物をしたり、くじ引きやカタ抜きでは、子供と的屋の真剣勝負があった。
その真剣さが、子供に経済システムや勝負勘(どこで使うねん)を教えてきたのだ。

麦わら帽子は もう消えた
たんぼの蛙は もう消えた
それでも待ってる 夏休み
… …
西瓜を食べてた 夏休み
水まきしたっけ 夏休み
ひまわり 夕立 せみの声

露店だけではなく、吉田拓郎の「夏休み」の歌詞にある風景が、どんどんなくなっていく。
posted by 8ちゃん at 17:07| Comment(4) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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