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2012年07月17日

アリバイつくり

原子力発電の将来の姿を決めるというテーマで、全国の電力会社単位での「意見聴取会」というのが始まった。
正式には「今後のエネルギー・環境政策について国民から直接意見を聞く意見聴取会」という恐ろしく長い名前のものだそうだ。
さいたま市、仙台市、名古屋市と続き今後は全国で行われるらしい。
この聴取会とやらに電力会社の幹部や職員、そして原子力研究開発機構の職員が原子力発電の推進を支持する立場での発言を行ったとして、メディアや原発反対団体は大騒ぎである。

何か文句を言う方向が違うのじゃないか。

この聴取会は、政府が国の原子力に関する施策を決定するプロセスとして、国民の意見を聞くという大義名分で行っているものらしい。
したがって、電力会社や原子力研究開発機構などは、持論を発表する機会などいくらでもあるのだから、「国民の意見」という趣旨からはこの会には参加すべきでないのだろう。
中途半端な立場で参加するから、選考に不正があったとか、やらせだとか言われるのだ。
また、昨日の名古屋の聴取会で発言した中部電力の職員は「原発に対するいわれなき批判」だとか、「放射能で亡くなった人は1人もいない」などと、恐ろしいことを言ったものだから、事態は深刻になっているようだ。
中部電力も従業員は沢山いるのだろうから、よりによってこんなアホを派遣しなくとも良かろうにと、思うのだが…。

この意見聴取会の運営は、政府が大手広告代理店の博報堂に丸投げしているので、政府としては各聴取会に大臣クラスの国会議員を派遣するだけだ。
読売新聞が大きく関与している博報堂がコーデュネイトしたからといって、意見陳述者の選考に不正があった訳ではないようだ。
意見を述べる人間の選定基準は予め国が決めていて、西暦2030年における原子力発電の比率が、0%がよいと考える人の中ら3名、15%がよいと考える人から3名、20〜25%がよいと考える人から3名の合計9名を選出するのだが、この選考会に応募した人の数をみると、例えば仙台での意見聴取会だと、
0%⇒応募者66人
15%⇒応募者14人
20〜25%⇒応募者13人
となっているから、0%を主張して選ばれる確率は3/66=4.5%であるのに対して、15%なら、3/14=21.4%、20〜25%の場合は、3/13=23.1%となって、電力会社の幹部職員や原子力研究開発機構の人間は20〜25%が会社の見解なのだから、4人くらい応募すればほぼ当選するのだ。
もっとも、この15%とか20%〜25%という数字や、応募者数に比例させないで、各区分3名という選定人数を何を根拠に決めたのかなど、極めて不透明であることも間違いない。

しかし、そんなことは枝葉の議論だろう。最大の問題は、こんな政府のアリバイつくりみたいな意見聴取会を実施しただけで、「国民の声を聞きました。」ということを印象付けようとしている姑息な考え方だ。
たった9人に意見聴取することで、「東北地方1000万人のご意見を伺いました。」とでも言うつもりなのだろうか。
私の周りでこんな意見聴取会の応募要領を知っている人間なんかひとりもいない。
もし、このブログを読んでくれている人の中で、これに応募した人がいたら、是非、教えてほしいものだ。

政府は、こんな姑息なセレモニーに貴重な予算を使うのなら、国会で堂々と原子力の未来について議論して、政党や政治家としての主張をすべきである。
そして、その主張は選挙で国民の信任を問えばよいのだ。

おそらく、日本中には原発に反対の人もいれば、安全性を確保して原発を容認する人もいるだろう。もちろん、積極的に原発を推進したい人もいても良いのだ。
日本は、北朝鮮や中国のように、全国民が全く同じように泣いたり笑ったりする気持ちの悪い国ではないはずだ。

こんな茶番劇を、あ〜や、こ〜やと論評するメディアもアホである。
今、大切なのは日本における原子力のあり方について、国民に示すべき基本方針を決定することと、それに向けた例えば、各地の原発ごとに「これは2020年まで使って廃炉にする。」とか、「ここは活断層の真下だからすぐに廃炉」とかいった具体的なロードマップだ。
そして、最終的にそれを決定するのは国民であることを忘れてはならない。
posted by 8ちゃん at 16:13| Comment(13) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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