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2012年12月10日

児童虐待 〜児童養護施設の闇(2)

児童養護施設は、過去においては孤児院と呼ばれていた。
現在はむしろ孤児は少なく、親はいるが養育不可能になったため預けられている場合が圧倒的に多い。中でも、虐待のため実の親から離れて生活をせざるを得なくなった児童の割合が年々増加している。
この現実が、現在の児童養護施設が抱える問題を如実にあらわしているのだ。

両親が、事故などで他界して、孤児となった児童などを養護する目的で、設けられた児童動養護施設であったが、現在、児童養護施設に入所している児童の83.2%が両親または、どちらかの親は存命している。
現在、児童の入所理由で最も多いのは、親の育児放棄や虐待なのである。
中には、親が自分の子供の養育を公然と拒否して施設に保護されているといった、考えられない理由での入所児童が少なからず(全体の4.4%)いるのだ。
しかも、入所時点の年齢の平均が、5歳であることを考えると、幼児期からの虐待や育児放棄の現状が垣間見える。

児童養護施設に入所中の31,593人のうち、何らかの虐待を受けた児童は、全体の53.5%にあたる16,867人にも達し、その内容も、身体的虐待6,707人(39.8%)、性的虐待664人(3.9%)、育児放棄(レグレクト)11,159人(66.2%)および心理的虐待が3,440(20.4%)となっている。
構成比が100を超えるのは、2つ以上の種類の虐待を受けているものがいるからである。

一方、これを受け入れる児童養護施設の受け入れ態勢はどうだろうか。

児童福祉法には施設の規模概要を定める「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」というものがある。
ここに、施設構造物の基準や職員の人員についての基準が定められているのだ。

児童福祉施設の設備及び運営に関する基準の第42条によると、職員の数は、児童の年齢により、3歳未満の幼児については、幼児2人につき職員が1人、三歳以上の幼児は4人につき1人、少年(小学校就学の始期から、満十八歳に達するまでの者)は6人につき1人となっている。
この人数までは、国から人件費として予算が計上される。
数字だけ見れば、ケアが可能なようにも思える。
ただし、この数字には重大な問題が隠れているのだ。

もともと、児童養護施設は孤児院というスタイルからスタートしている。
そこでは、「住み込み」の「断続勤務」による職員の勤務体制が一般的だったのだ。
その後、国は、労働行政の中で、労働時間短縮、通勤制、や交替制といった勤務体制を推進し、現在の企業の大半はこれに従っている。

ところが、先に書いた、児童1人あたりの職員数の基準は、職員が24時間勤務をすることが前提となっているのだ。
職員が、1年間24時間、365日働き続けるケースでの、少年6人に対して、職員が1名といった計算で、国の予算は作成されるのだ。

つまり、12時間×2の2交代制で勤務を行った場合は、2名の職員に対して、1人分の予算しか国は施設に与えない。
3交代なら、3人で1人分の給料なのである。
また、この基準ができた1980年の法定勤務時間は、1日9時間労働、週6日勤務の54時間である。
予算を抑えながら、現在の週40時間の勤務制限を守らせたら、職員の数は国が予算化する金額の何倍も必要となるのだが、そんなに人員を多く抱えられるほど、児童養護施設は裕福ではない。

この矛盾があるため、施設では職員に対して、過酷な労働を課することになる。


次回、最終回へ続く。


posted by 8ちゃん at 16:46| Comment(10) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年12月07日

児童虐待 〜児童養護施設の闇

厚生労働省がまとめた「社会的養護の現状について」というレポートがある。

@ 児童養護施設(乳児を除く保護者のいない児童や虐待されている児童などを入所させて養護し、あわせてその自立を支援することを目的とする施設。虚弱児施設も含まれる。)
A 児童自立支援施設(児童福祉法に基づく児童の福祉施設の一つ。平成9年の同法改正により教護院から名称変更。不良行為をした児童や将来不良行為をする恐れのある児童、及び環境上の理由で生活指導を要する児童を入所させ、又は保護者の元から通わせて、社会生活に適応するよう指導を行い、その目的を支援することを目的とする施設。)
B 母子生活支援施設(配偶者のない女子又はこれに準ずる事情にある女子とその児童を入所させて保護するとともに、これらの者の自立の促進のために、その生活を支援することを目的とした施設。)
C その他、助産施設、乳児院、児童厚生施設、知的障害児施設、児童家庭支援センターなど14種類。

児童福祉施設と呼ばれるものには、以上のものがあるのだが、今回は家庭内において虐待などがあった場合の避難施設である児童養護施設について考えてみたい。

家庭に事情のある児童や非行性の認められる児童の避難場所として設置されている児童養護施設については、案外、知られていない部分が多いのではないだろうか。

昨年、全国206か所の児童相談所が児童虐待相談として対応した件数は59,862件で、これまでで最多の件数となっている。
この数字は、1990年の相談件数が1101件であったことを考えると、極めて多い数字である。
育児や子育てに悩んだ時、虐待を受けたと思われる子どもを見つけた時などに、ためらわずに全国共通の番号に電話(0570−064−000)すれば、自動的に近くの児童相談所に電話が繋がる仕組みを政府が導入したのは、平成21年10月1日である。

この制度が完全に定着したかどうかは別として、相談件数は毎年増加している。
これは、社会が病む中、弱者である児童に対する虐待が後を絶たない現実を、如実に現すものだろう。

実際に、児童への虐待が、死につながるものも多く、昨年だけでも、児童の虐待死事例は81件あり(うち心中は37件)、死亡した児童の数は、98名に達している。
虐待死した児童の年齢は、0歳児が23人(45.1%)と最も多く、3歳以下を合わせると43人(84.3%)と大部分を占めている。

また、加害者は、「実母」が30人(58.8%)と最も多く、次いで「実父」が7人(13.7%)、「実母の交際相手」が4人(7.8%)であった。
加害動機について、加害者の多数を占める実母の心理的・精神的問題をみると、「育児不安」(構成割合25.4%)、「養育能力の低さ」(構成割合15.9%)が多い。
このような不安を抱えながら、地域社会との接触が「ほとんどない」ないし「乏しい」が構成割合で66.7%を占めており、国や市町村の子育て支援事業についても、利用していないものが、全体の62.5%を占めるなど、制度の浸透は図れていないものとなっている。


児童が虐待されているとの通報があれば、児童相談所の職員は、情報を集め、該当児童の自宅へ事情聴取に向かう。
その結果、虐待が認められれば、児童を施設で預かることになるのだが、実際には、親は虐待を否認するし、親権に基づく主張があれば、最終的には、裁判所の判断を仰がなければならない。
実際に、通報があっても児童を守れず、死に至らしめた事例もあるし、一旦、預かった児童を家庭に戻したことで、児童を虐待死させてしまった事例もあるのだ。

平成24年4月に児童福祉法が改正され、親権停止制度が創設されたほか、法人又は複数人の未成年後見人が選任できるようになったが、この制度ができてから全国の児童相談所長が行った家庭裁判所に対する親権停止の審判の申立ての実績は、6自治体で7事例にとどまっているのが現状だ。


一方で、児童養護施設内での職員による児童への虐待事例も少なからず発生している。
つくば市の児童養護施設「筑波愛児園」では、数年前までカレンダーの金具を新聞紙で包み粘着テープで巻いた「愛のムチ」と呼ばれる棒や、げんこつで児童のしりや頭などを日常的に叩いたり、湯船の中や床下に長時間閉じこめるといった児童への虐待が繰り返されていた。

別の施設では、女性保育士が、生徒である少年に肉体的関係を強要し、生徒が断ると、施設内などで足で蹴ったり、体に噛み付いたりして、少年を従わすといった猟奇的な事件も発生している。

大多数の職員が献身的に仕事に取り組んでいる中、このような残念な事例が発生するのは何故だろう。


次回は、児童養護施設が抱える問題について検証してみたい。
次回に続く。

posted by 8ちゃん at 17:39| Comment(13) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年12月06日

緊迫するシリア情勢

複数のメディアが、アメリカ政府高官の話として、シリア政府軍が、サリンガスを内戦で使用するための準備に入ったことを伝えている。
オウム真理教が多数の人間を殺したあのサリンである。

狂気の沙汰だ。

猛毒のサリンは、呼吸だけでなく皮膚からも吸収され、その殺傷力は極めて高く、しかも、核兵器のような高額の製造コストを要しないため、その気になれば、殆どの国において保有が可能になるという厄介な代物なのだ。

そのサリンを、自国内で、しかも自分の国の国民を殺すために使用するとしたら、それは、人間の心を失った鬼畜の行為である。

シリア情勢については、アサド大統領の退陣を求める勢力と、大統領支持の政府軍の間において、長期の内戦が続いているが、シリアに利権を持つロシアや中国が、シリアへの制裁に反対して、国連安全保障理事会を実質的に無力にしていることもあって、解決に向けてのロードマップすら作成されていないのが現状だ。

このブログのシリアに関する記事
http://senbero8chan.seesaa.net/article/273013569.html?1354769537

アメリカのNBC(テレビ)は、シリア政府軍が、サリンを爆弾に搭載して、使用のための準備を完了し、アサド大統領の命令を待っている状態だと報じている。
アメリカ政府はアサド政権に対し、サリンなどの化学兵器をシリア政府軍が使用すれば、アメリカは軍事介入するという内容のコメントを出しているので、状況によっては、アメリカやNATO軍による戦闘行為の可能性も高まってきている。
シリアには、サリンのほかにも、タブンといった神経ガスや、マスタードガスといった非常に危険性の高い化学兵器を保有しているとの情報もあり、大量の人民の虐殺が行われるかの知れない緊迫した状況が、中東を覆っている。

シリアのアサド体制に対しては、アメリカやイギリスがアサド大統領の早期退陣を要求しており、実際、NATOや湾岸産油国、アメリカが、反政府軍への武器や資金の供与を行っているが、反対にロシアや中国がアサド政権に物的援助を行うなど、まるで代理戦争の様相を呈しているのだ。

この中で、シリア政府軍に置ける化学兵器の使用の懸念いついては、従来からアメリカを中心とするメディアが伝えており、その一方で、このような化学兵器による脅威をあおる報道が、アメリカなどの策謀であり、イラク戦争の時にように「化学兵器の脅威」を強調することで、アメリカ軍などの軍事介入の口実を作っているのではないかとの憶測も流れている。

シリアも関しては、ブッシュ政権の時代から、アメリカは、イスラエルへの敵対心を剥き出しにしているアサド大統領を憎んでいることは間違いない。
反政府組織へ資金提供やサウジアラビアやカタールを通じた武器を中心とした物資援助をしているものの、アサド政権の抵抗が予想以上に激しく、シリアがアメリカの目論見どおりの展開となっていない焦りがアメリカにはある。

今回のシリアにおけるサリン兵器の問題は、実際にシリア政府軍が関与しているのか、アメリカによる軍事介入の口実を見つけるための演出なのか、現段階では判断が難しい。

ただし、確実にいえることは長引く内乱で、多数の子供や女性を含むシリア国民が毎日のように死に追いやられていることである。
アメリカやロシア、中国といった列強の思惑も重なって、シリア情勢は日々緊張が高まってきている。
これを打開するはずの国際社会は、安全保障理事会の常任理事国が、各自の国益を主張してまとまらない。


こんな緊迫したシリア情勢がありながら、日本のメディアは、相変わらず選挙のニュースしか流さない。
やはり、日本は、国際的には未開国なのである。

posted by 8ちゃん at 15:39| Comment(8) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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