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2012年12月07日

児童虐待 〜児童養護施設の闇

厚生労働省がまとめた「社会的養護の現状について」というレポートがある。

@ 児童養護施設(乳児を除く保護者のいない児童や虐待されている児童などを入所させて養護し、あわせてその自立を支援することを目的とする施設。虚弱児施設も含まれる。)
A 児童自立支援施設(児童福祉法に基づく児童の福祉施設の一つ。平成9年の同法改正により教護院から名称変更。不良行為をした児童や将来不良行為をする恐れのある児童、及び環境上の理由で生活指導を要する児童を入所させ、又は保護者の元から通わせて、社会生活に適応するよう指導を行い、その目的を支援することを目的とする施設。)
B 母子生活支援施設(配偶者のない女子又はこれに準ずる事情にある女子とその児童を入所させて保護するとともに、これらの者の自立の促進のために、その生活を支援することを目的とした施設。)
C その他、助産施設、乳児院、児童厚生施設、知的障害児施設、児童家庭支援センターなど14種類。

児童福祉施設と呼ばれるものには、以上のものがあるのだが、今回は家庭内において虐待などがあった場合の避難施設である児童養護施設について考えてみたい。

家庭に事情のある児童や非行性の認められる児童の避難場所として設置されている児童養護施設については、案外、知られていない部分が多いのではないだろうか。

昨年、全国206か所の児童相談所が児童虐待相談として対応した件数は59,862件で、これまでで最多の件数となっている。
この数字は、1990年の相談件数が1101件であったことを考えると、極めて多い数字である。
育児や子育てに悩んだ時、虐待を受けたと思われる子どもを見つけた時などに、ためらわずに全国共通の番号に電話(0570−064−000)すれば、自動的に近くの児童相談所に電話が繋がる仕組みを政府が導入したのは、平成21年10月1日である。

この制度が完全に定着したかどうかは別として、相談件数は毎年増加している。
これは、社会が病む中、弱者である児童に対する虐待が後を絶たない現実を、如実に現すものだろう。

実際に、児童への虐待が、死につながるものも多く、昨年だけでも、児童の虐待死事例は81件あり(うち心中は37件)、死亡した児童の数は、98名に達している。
虐待死した児童の年齢は、0歳児が23人(45.1%)と最も多く、3歳以下を合わせると43人(84.3%)と大部分を占めている。

また、加害者は、「実母」が30人(58.8%)と最も多く、次いで「実父」が7人(13.7%)、「実母の交際相手」が4人(7.8%)であった。
加害動機について、加害者の多数を占める実母の心理的・精神的問題をみると、「育児不安」(構成割合25.4%)、「養育能力の低さ」(構成割合15.9%)が多い。
このような不安を抱えながら、地域社会との接触が「ほとんどない」ないし「乏しい」が構成割合で66.7%を占めており、国や市町村の子育て支援事業についても、利用していないものが、全体の62.5%を占めるなど、制度の浸透は図れていないものとなっている。


児童が虐待されているとの通報があれば、児童相談所の職員は、情報を集め、該当児童の自宅へ事情聴取に向かう。
その結果、虐待が認められれば、児童を施設で預かることになるのだが、実際には、親は虐待を否認するし、親権に基づく主張があれば、最終的には、裁判所の判断を仰がなければならない。
実際に、通報があっても児童を守れず、死に至らしめた事例もあるし、一旦、預かった児童を家庭に戻したことで、児童を虐待死させてしまった事例もあるのだ。

平成24年4月に児童福祉法が改正され、親権停止制度が創設されたほか、法人又は複数人の未成年後見人が選任できるようになったが、この制度ができてから全国の児童相談所長が行った家庭裁判所に対する親権停止の審判の申立ての実績は、6自治体で7事例にとどまっているのが現状だ。


一方で、児童養護施設内での職員による児童への虐待事例も少なからず発生している。
つくば市の児童養護施設「筑波愛児園」では、数年前までカレンダーの金具を新聞紙で包み粘着テープで巻いた「愛のムチ」と呼ばれる棒や、げんこつで児童のしりや頭などを日常的に叩いたり、湯船の中や床下に長時間閉じこめるといった児童への虐待が繰り返されていた。

別の施設では、女性保育士が、生徒である少年に肉体的関係を強要し、生徒が断ると、施設内などで足で蹴ったり、体に噛み付いたりして、少年を従わすといった猟奇的な事件も発生している。

大多数の職員が献身的に仕事に取り組んでいる中、このような残念な事例が発生するのは何故だろう。


次回は、児童養護施設が抱える問題について検証してみたい。
次回に続く。

posted by 8ちゃん at 17:39| Comment(13) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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