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2013年03月03日

明石歩道橋事故を考える(5)

この事故は、このように関係者が細心の注意をもって対応していれば未然に防げた事故であると私は思う。
したがって、関係者の訴追は当然だろう。

しかし、現状の検察審査会をみたとき、どうもマスコミの創造する「世論」と称するものに流されてはいないだろうか。
「世論」とはまさに世間一般の考え方である。
ある出来事をマスコミ各社が、ろくな取材も行なわずに連日記事にすれば、それが「世論」となったりするのである。
冤罪事件でも、捜査当局の尻馬に乗った記事を連日垂れ流すマスコミに、多くの人は逮捕者した被疑者を「犯人」と決めつけていたはずだ。

今回の事件においても、当時の明石市長や警備会社社長に関する訴追の要求は少なく、警察関係者だけが検察審査の対象となっているが、その選別の根拠は不透明である。
刑事事件で書類送検された12名のうち在宅起訴された5名はすべて現場の担当者だ。

私は逆だと思う。

明石市の上層部や警察幹部、または警備会社の上司から命令されて業務を行なったものが、起訴されて幹部連中は安泰という構図自体がおかしいのだ。
特に、この事件は花火大会の開催に重大な障害があることを知りながら、何の対策も打たずにそれを実施したこと自体が問題なのである。
つまり、最大の犯罪行為は、不十分な態勢で花火大会を実施したことだ。

そして、今回の事件を通して検察審査会と強制起訴がいかに機能していないかがよく分かった。
捜査権に最初から携わっていない検察官に代わる指定弁護士の限界もある。
一方で、今回は副署長が免訴になり、法的効果は無罪と同じだ。
つまり、結果として無罪の人間を11年間追い詰めてきたことにもなるのだ。

このようないろんな問題が発生する根幹は検察当局の「ひとりよがり」ではないか。
起訴して100%有罪にする自信がなければ起訴しないことは、推定無罪の原則からみても当然ではあるが、判決を言い渡すのはあくまでも裁判官だ。
裁判所の法廷へ行く前に、検察官が判決を言い渡しているのと同じ現状には問題がないのだろうか。

被疑者の人格を尊重しつつも、日本の司法制度は、検察官ではなく裁判所が罪状の有無を判断するシステムであるはずだ。
刑事判決の99%が有罪という今の状況には良い面も、悪い面もあるのだ。


やっと終わりました。ご苦労様のポチをよろしく。

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posted by 8ちゃん at 16:00| Comment(12) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年03月02日

明石歩道橋事故を考える(4)

この事件における関係者の問題点を考えたい。

明石市(主催者)
明石市は、過去の事故の経験に基づく歩道橋に関する雑踏問題を解決することなく、花火大会を実施した。
その事前準備の段階では、警察や警備会社との連携は不十分で、警備会社との間における警備委託契約書などは作成すらされておらず、事故が発生したことで、慌てて、事故後の13年7月26日に契約書を作成して、その日付を溯って7月16日に作成したかのように偽装している。
また、医療機関や消防署との協議は、消防署と2回の簡単な協議を行なったのみで、医療機関に対しては、近隣医療機関に協力要請文書を1回送付したのみであった。

しかも、半年前のカウントダウンのイベントの経験を踏まえた歩道橋の欠陥(通路幅員6mに対して、出口の幅員が3mというボトルネック構造)を改善することなく、また、歩道橋上に立ち止まっての花火見物による滞留を回避するため、壁や天井部分に目隠しをするなどの対策も行なっていなかった。
さらに、花火大会の開催パンフレットには、最寄り駅として朝霞駅のみが表示され、観客の異常な集中を主催者自身が招いていたのだ。

明石警察
警察は、明石市と同じく半年前のカウントダウンイベントの朝霞駅歩道橋の異常な混乱を経験しながら、警察内部の事情(暴走族対策)のために、露店180店舗全店を歩道橋南側に全部集中するよう、指示を出している。
結果、歩道橋の出口である南側は露店を目当ての客で埋まって、歩道橋からの人の流出が困難となり、混雑を何倍にも加速させることとなった。

また、事件当日は、暴走族対応に292名の警察官を配置したのに対し、今回の歩道橋を含む雑踏対応には36名の警察官しか配置させておらず、状況判断を著しく誤ったものと認められる。
しかも、事故に至るまでの間、異常な雑踏の状況を本部に報告し、応援警察官の配置や通行規制の実施など、事故防止に対する必要な措置をとっていない。

なお、裁判において警察は、このような行事に関する警備の責任は主催者にある旨主張しているが、歩道橋は国道2号線の道路を横断して架かっているため、道路法上は歩道橋自体が「公道」となり、道路交通法等の適用があるため、警察の所掌範囲である。
このように、責任を自身以外に転嫁しようとする警察側の姿勢は体質であろうか。

警備会社(株式会社ニシカン)
この警備会社は、適正な一般競争入札により、警備を請け負ったわけではない。
長年にわたる明石市との癒着に近い関係から、随意契約により警備を委託された会社である。
この警備会社も半年前のカウントダウンイベント時に警備を請け負った経験から、歩道橋における大規模な混乱は予見可能である。
にもかかわらず、警備会社が主催者である明石市に提出した警備計画書は、他のイベントの警備請負に使用した計画書を表題のみを変えただけのものであり、警備計画書としての価値は全くない。
しかも、歩道橋が大混乱を起こすと、警備会社は何等その混乱解消には役立たず、契約上の任務すら果たしていないことが伺えるのである。

結論
このように関係者がすべて任務を懈怠した結果、当該歩道橋の渡橋限界人員である1400人/時間に対して、事故発生時には6400人/時間という想像を絶する混乱が歩道橋上で展開され、11名の尊い命が奪われることとなるのだ。

次回に続く


「まだ続くんか!エエかげんにせえよ!」との声が聞こえそうな今日この頃、その怒りを指先にこめて、例のポチを…

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posted by 8ちゃん at 16:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年03月01日

明石歩道橋事故を考える(3)

この事件の本質を考えるとき、この事件が何故発生したかという検証が必要である。

少なくとも、この事件は、明石市、明石警察署、警備会社の関与が大きい。
そして、表面的な事実関係は以下のとおりである。

@ 多くの人間が歩道橋に集中した。
A 歩道橋の幅員(6m)に対して、出口である階段の幅員(3m)が狭小であった。
B 歩道橋の上で花火を見たい観客が歩行を止め滞留が起こった。
C 出口である南側階段の下には、露店客が滞留して人の流出を妨げた。
D 群集なだれが発生した。

問題は、この状況を予見し、@花火大会当日までに必要な抑止策を構築できたかどうかということと、A事故発生直前までに必要な措置がとられたか。
この2点である。

まず、背景として、明石市がどうしてもこのイベントを実施する必要があったのか。

今、大都市部以外の全国の市町村では、人口や産業の流出対策として、「町おこし」というものに相当の力を入れている。
それは、地域特産物の売り込みや、ご当地グルメ、ゆるキャラと呼ばれるご当地キャラクターから花火大会のようなイベントに至るまで、多種にわたっている。
今回の事件の原因となった花火大会についてみても、大尺の打ち上げ花火が上がる一定規模以上の花火大会だけでも、夏場には全国で1000ヶ所以上の会場で花火大会が行なわれているのだ。

明石市は、神戸地区と姫路地区の中間に位置する人口29万人の市である。
企業団地の造成などで工場などが多い地域ではあるが、観光という面ではこれといった特徴がない。
玉子焼きと呼ばれる明石焼きや、市の中心街にある魚の棚(うおんたな)商店街などがあるが、明石焼きなど大阪市内にも多くの店があるし、魚の棚も客の減少から閉店している店が多いのが現状だ。
本州と淡路市の岩屋とを結ぶ明石海峡大橋の本州側の入り口も、明石市ではなく神戸市垂水区にあるのだ。

こんな背景もあって、明石市は、今回事件が起こった同じ歩道橋において、約半年前にも事故を起こしている。
カウントダウンのイベントで5万5千人が集まった際、この歩道橋が絶好の見物場所になり、雑踏による危険な状態が生じていたにもかかわらず、この対策をしないまま、今回の花火大会を強行したのだ。

では、事件に関する関係者の対応はどうだったのか。

次回に続く。


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posted by 8ちゃん at 17:25| Comment(4) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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