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2013年03月29日

違和感のある条例

兵庫県小野市。

兵庫県のほぼ真ん中に位置する人口約5万人弱のこの市は、全国シェア70%を誇るそろばんの生産や包丁などの家庭用刃物を製造する町として、教科書などにも記載される市である。
有名なトモエ算盤の工場も小野市にあるのだ。

この一見平和そうな市で、ひとつの条例が可決された。

小野市福祉給付制度適正化条例。

生活保護費などの不正受給を防止する目的で制定された条例のようであるが、その内容をみると、生活保護費や児童扶養手当の受給者は、給付金でパチンコをするなど遊技、遊興、賭博などに使用してはならないとするとしている。
まあ、個人の行動を条例により規制することは、生存権などの基本的人権の侵害だろうが、一方で、貴重な給付金を使ってパチンコや競馬に現を抜かす輩がいることも事実なのである。
勿論、生活保護の認定時において真に保護が必要なひとが認められず、ヤクザや金持ちに保護費が渡るような審査の体制の方がおかしいからこんな問題が起きるのであるが…。

問題は、この条例の趣旨を実現するため、市民に対して通報義務を課していることである。
つまり、市民が「あのひと保護費もらってパチンコしてはるでぇ。」とか「児童扶養手当貰ろてんのに、酒飲んどるやんけ。」と市民に告げ口をする義務を課しているのだ。
「告げ口」という日本人が古来より忌み嫌う行動を行政が強要したのである。

アホか。

生活に何の不自由もない人間が役所にねじ込んで保護費を貰うのは犯罪だから、そんな人間の権利などは守る必要はない。
夜遅くまでヘトヘトになるまで働いて、僅かな賃金を生活の糧にしている者を横目に、十分働ける人間が、保護費を貰いながら競馬場通いを続けるのは許される行為ではないだろう。
最低賃金が生活保護費を下回る現実に対する国民の不満の声も高いのも確かだ。

ただし、大多数の保護受給家庭は、日々の生活に汲々としているのである。
本当に、働こうとしても働けない人間を国家として保護するのは当然の話である。
この条例の目的は、そんなひとまでをも、まるで犯罪者のように、市民同士で監視させるということなのか。

さらに、誰が生活保護や児童扶養手当を受給しているかといったことは、重要な個人情報であり、開示できないのだから、市民は誰を監視するのか。
結局のところ、「あのひと生活保護貰ろてはるんとちゃうか。」みたいないい加減な邪推に基づいて市民同士の疑心暗鬼と差別化が進行するだけではないのか。
目的達成のためには、何をしても良いというものではないだろう。

戦前の日本では、政治的不満分子のみならず、国政への悪口を「隣組」とよばれるグループで監視して密告し、特高警察(特別高等警察)が捕まえて拷問で無理やり自白させるという暗黒の時代があったことを思い出したとしたら、考えすぎだろうか。

この条例は、小野市市議会議員16人中15人が賛成、1人が反対という圧倒的多数で可決されたそうである。
また、条例制定の適否を巡って、市役所に届いたメールなどの意見では1700人中約60%の人がこの条例の制定に賛成の意見であったそうだ。

世間一般の人はこの通報制度を何の抵抗もなく、受け入れることが出来るということなのか。

私には、大きな違和感がある。


花見に出かける前に、そのしなやかな指で、↓をポチンと…。


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posted by 8ちゃん at 13:23| Comment(10) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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