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2013年05月08日

何かと話題の憲法96条

憲法96条の改正について世間が騒がしい。
それほど難しい条文ではないし、短い条文なので全文を書くと96条にはこんなことが書いてある。

憲法 第九十六条
この憲法の改正は、各議院の総議員の三分の二以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行はれる投票において、その過半数の賛成を必要とする。
憲法改正について前項の承認を経たときは、天皇は、国民の名で、この憲法と一体を成すものとして、直ちにこれを公布する。

つまり、憲法の条文を変える場合のルールが記されているのである。
具体的には、国会議員全員のうち、三分の二が「改正したいねん。」と言い出せば、国民の投票が行なわれ、その投票で、改正の意見が過半数を超えれば、憲法は改正されるのである。
もっとも、この条文にある「特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行はれる投票において、その過半数…。」とある部分の「過半数」というのは有権者数の過半数なのか、投票数の過半数なのかについては意見が分かれたこともあって、平成19年の第1次安倍内閣時代に「日本国憲法の改正手続に関する法律」という法律を制定して、有効投票数の過半数ということを決めている。

改正手続きを定める法律を作った段階で、安倍ちゃんは「ボクちゃんおなかが痛い。」ということで退陣したため、憲法改正の議論は行なわれることなく選挙となり、自民党は大敗して野党になったのである。
そして、昨年の衆議院選挙において、地すべり的に大勝した自民党は、夏の参議院選挙で一定の議席数を確保すれば、憲法改正に積極的な日本維新の会やみんなの党の議員も巻き込んで、議員総数の三分の二を確保できるとして、一生懸命になっているのである。

そんな調子で議員総数の三分の二を確保できる見込みがあるのなら、何も現行憲法に規定する三分の二というルールを変える必要などないと思うのだが、安倍ちゃんは、この中の「三分の二」というところがどうしても気に入らないらしい。
この96条を改正して、国会議員の二分の一が賛同すれば、憲法改正の発議を出来るようにするのがお望みらしい。
これは現在の自民党一人勝ち状態が、永く続かないと安倍ちゃんは考えているからだろうか。
毎回、選挙のたびに落選という恐怖におびえる議員稼業の性というものだろうか。

私自身は憲法に不備や時代にそぐわない内容があるのなら、そして大多数の国民が望むのなら、憲法を改正することもあって当然だろうと思っている。
現行憲法も、1946年に公布され、1947年に施行から既に66年が経過しているのだから、改正すべき部分があるのかもしれないし、憲法自体に改正の手続きが記載されているのだから、頑なに現行憲法を未来永劫まで改正しないのも不自然だ。

ただし、今行なわれている議論は基本的におかしい。

おかしな理由の一つ目は、国会議員の三分の二という数字のマジックだ。
昨年の選挙で、自民党は議席の61%である294議席を確保したが、小選挙区での獲得票は全体の43%だし、比例区に至っては27%である。
過半数を大きく超える「死に票」を作り出すような選挙制度に加え、1票の格差是正も出来ていない状態での三分の二は、民意と呼ぶにはあまりにも誤差が大きすぎるだろう。

二つ目は、憲法改正手続きばかりが話題になっているが、肝心の「憲法の何を変えたいのか。」という議論が見えてこないことだ。
自民党のHPには自民党が目指す憲法の草案が、記載されているが、これを国民に知らしめ、内容の説明を行なう気配がない。
「見たかったら、HPで勝手に見んかい!」という態度なのである。
ただし、自民党のHPに記載されているのは、憲法改正案の「概要」のみであり、どうにでも解釈できるような文章が並んでいるだけである。

もっとも、「軍事大国を目指す」とか、「国家による自由の制限強化」なんかを言い出すと、選挙で誰も安倍ちゃんに投票してくれなくなるので、あまり分かりやすい内容にはしたくないのかも知れない。

こんな状態で国民投票などを行なったら、わけも分からないまま、「棄権」や「白票」が増えるのだろう。
そして、投票率が低下したまま、「有効投票の過半数」で憲法が改正されるのかもしれない。
日本における有権者数は、海外に住む日本人も含めて1億451万3907人である。
投票率が40%なら、約2千万人が賛成すると、憲法は改正されるのである。
今でこそ100万人に満たない自民党の党員・党友の数なのだが、ピーク時の2003年には600万人近く党員・党友がいたのだから、コイツらが、全員が2人づつ投票を依頼すれば、クリアできそうな改正ラインなのも怖いのである。


かなり簡単すぎる自民党の憲法改正案ではあるが、気になる部分がある。
それは、基本的人権など国民が憲法により守られている権利に対して、「公序」や「公益」に反する場合、この権利を認めないとする記述がやたら多いことだ。
権利が公序良俗などで規制されることはその通りなのだが、では「公序」や「公益」とは何なのか。
これは言い換えれば時の権力者が「公序」や「公益」のものさしを決めてしまえば、憲法を自由に解釈して拡大適用させることにならないか。

権力者の暴政を抑えるためにあるはずの憲法が、時の政権党の意向で思いのままに運用される「解釈改憲」が簡単に出来てしまうことは絶対に避けなければいけないだろう。

憲法は、103条しかない短い法典であるが、案外、読まれていない法典である。
ネット上でも簡単に見ることが出来るのだから、少しの時間を割いて憲法を読んでみたらいかがだろう。

ついでにコチラ↓もポチンと…。

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posted by 8ちゃん at 16:50| Comment(4) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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