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2013年06月17日

「常識」がなくなった国

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2011年の11月14日。
東京地裁においてひとつの事件に判決が下りた。

原告は、福島第一原発から北へ約45キロの二本松市に所在する、福島県の名門ゴルフ場、「サンフィールド二本松ゴルフ倶楽部」、被告は東京電力である。

福島オープンなどの公式戦が行なわれるこのゴルフ場は、年間3万人のゴルファーで賑わっていた。
そう、あの日までは…。

福島原発事故が起こった時、原発から45キロも離れたこのゴルフ場に、放射能汚染の危機は及ばないだろうと考えていた経営者は、それでも顧客の安全のために、ゴルフ場内の放射能レベルを計測した。

その結果。

6番ホールのティーグラウンドでは、2.91μSv/hが測定された。
カート置き場の雨樋の排水口付近にいたっては51.1μSv/hだ。
この数値は、線量だけなら原発から僅か2.4km離れただけの大熊町夫沢とほぼ同じ高線量だった。
「サンフィールド二本松ゴルフ倶楽部」は、3月12日から営業を休止した。
そして、ゴルフ場の経営者は、東電を相手に訴訟を起こした。

東電の原発事故で、ゴルフ場が運営できなくなった。

当然の主張である。
この「普通」の考え方に対して、東電は愕くべき理論で反論した。

「放射能は東電の所有物ではない。」

放射性物質は、誰のものでもない「無主物」(ただよう霧や、海で泳ぐ魚のように、だれのものでもないもの)と考えるのが実態に即しており、東電としては、飛び散った放射性物質を所有しているとは考えていない。
したがって検出された放射性物質は責任者がいないのだから、東電が損害を賠償する義務はない。
しかも、既にその放射性物質はゴルフ場の土地に附合(ふごう=一体となること)しているはずであるから、東電が放射性物質を所有することは不可能だ。

誰が聞いても、耳を疑うような厚顔無恥な主張であり、このような主張など、裁判所は一蹴するものと、誰もが考えていた。

ところが…。

愕くべきことに、東京地裁の福島政幸裁判長は、判決において、東電の主張を全面的に認めたのである。
福島裁判長は、判決文で東電の主張を認めた後に、こう言った。
「仮に、汚染が東電の責任であっても、現時点では汚染除去の方法が確立されていないから、東電に処理を命じることは出来ない。」

アホか。

福島原発事故は、安全性を置き去りにした国の原発推進政策や、国会議員、地域自治体、地方議員の補助金目当ての「安全戯曲」の創造といった複合犯罪ではあるが、電力会社に責任がないという発想が、何処から出てくるのか。

それなら、硫黄酸化物を大気に撒き散らしても、カドミウムや水銀を海に垂れ流しても、公害物質が、企業の手を離れた瞬間に公害企業は何の責任も負わないというのか。

判決を受けたゴルフ場は、僅かな望みをかけての放射能量の再計測を行なった。
芝から、235,00Bq/kgのセシウムが検出された。
土から、98Bq/kgの放射性ストロンチウムが検出された。
この数値は、チェルノブイリでの避難命令の基準を上回っている。

ゴルフ場は、長年雇っていた従業員17名、キャディー15名を解雇せざるを得なかった。

その判決から1年後の2012年12月。

東北大震災に空母ロナルド・レーガンを派遣して被災地の救援活動を行なってくれた(トモダチ作戦)アメリカ軍のミッションに参加したアメリカ軍兵士8名が、東電が正確な情報を出さなかったから被曝したとして、東京電力を相手に訴訟を起こした。
当初、8名だった原告は、現在までに26名となり、最終的には100名、総額2000億円の損害賠償請求事件になる見込みである。

東電は、そこでも「放射能は東電の所有物ではない。」と主張するのだろうか。


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posted by 8ちゃん at 17:26| Comment(7) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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