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2013年08月01日

ディオバン


ノバルティスファーマというスイスに本社のある世界第2位の薬屋が売っているディオバン(商品名)という名の薬である。
このディオバンに入っているバルサルタンという薬効成分が、血圧を下げる効能もないのに、臨床データを改ざんすることで「効果がある」という嘘の論文を書かせて、爆発的に売れているというニュースが世間を騒がしている。

問題点を整理するとこんな感じだ。
@ノバルティスファーマ社が複数の大学の学者に、研究費の補助と大学への多額の寄付金を約束して、バルサルタンの臨床研究を依頼。
A臨床研究結果をまとめた学者が、バルサルタンには、脳卒中のリスクを下げるなどの薬効があるとした論文を医療専門誌に掲載。
B当該医療専門誌の内容を宣伝材料として、ノバルティスファーマ社がバルサルタンを主成分とする薬剤であるディオバンの販売を促進した結果、爆発的に売れ、同分野での国内最高シェアを獲得する。
Cその後の検証において、この臨床研究においては、バルサルタンには脳卒中のリスクを下げるという科学的根拠がないことが判明。
Dまた、この臨床研究のデータ作成にノバルティスファーマ社の社員が統計解析者として関与していた事実が判明し、データの改ざん疑惑が浮上。
Eノバルティスファーマ社が社内検証するも、データの改ざんについては確証が得られなかった旨、記者会見で発表。
※ 関与していたノ社の担当社員(S)、指示していた上司(F)の氏名も判明しているのだが、現時点では「疑惑」の段階なので、氏名は公表しないことにしよう。

とにかく、このディオバンという薬の売り上げがすごい。

日本国内では、年間約1000億円も売れており、これまでに1兆2000億円も売れたのである。
そして、この代金は、国民の財布と国民の健康保険料から出ているのである。
社会福祉予算が切り詰められる中で、効かない薬に1兆2千億円もの巨額の保険料を支払っていたとすれば、こんな腹の立つ話はない。

読者の中にも、この薬を使用している方もいるだろう。

血圧降下剤の怖さは、「怪しいから、使用をやめよう。」とはいかないところである。
使用を中止すると、元々の高血圧症状を抑えることが出来なくなり、脳溢血などが引き起こされる可能性があるのだ。

とにかく、国民が知りたいのは、バルサルタンという成分、ディオバンという薬品が、ノバルティスファーマ社が宣伝する通り、血圧を下げるのに有効なのか否かという1点である。

現在も、多くの人間が、世界中でディオバンを使用している。
そして、そのうちの多数の人間が重度の高血圧症なのである。
仮に、ディオバンに降圧効果がないのに爆発的に売れてしまったとしたら、他の薬を使っていれば防げたかもしれない脳卒中を起こしてしまった人もいただろうし、これから脳卒中になる人も出てくる可能性が高いのである。

この薬品の薬効に疑問符がついた今、すぐに実施すべきは効能の検証である。
ところが、このような薬効の検証に関して、日本にはそれを専門に行なう組織はないのだ。

アメリカには、研究公正局(ORI)という組織があって、研究不正に関して強制調査権を持って、調査を行なっているが、日本にはそんな第三者的な調査機関がないのである。
研究論文が捏造されたのであれば、大学や学会がその信頼性を確保するために調査すべきなのだが、強制捜査権をもたない大学や学会の調査には限界があるし、学者や元社員など関係者がすべて退職している現状においては、さらに調査は困難である。

組織的にデータを改ざんして、患者や医者を騙したのであれば、「他人を欺罔し錯誤に陥れさせ、財物を交付させた」のだから、詐欺罪で立件できそうなのだが、そこまでの証拠はないし、仮に立件しようとしても警察や検察にとって、これら医学研究の分野は高度に専門的で、彼らの頭ではついていけないのである。

日本でもORIのような学術分野の捜査機関を作るべきではないのか。
もちろん、警察や文科省の役人の天下り先のようなものではなく、実務的に研究不正などを捜査する機関である。
そして、このような不正な臨床研究結果の改ざんなどは、明確に「犯罪」として取り扱うべきなのである。

「薬」という生命に直結するテーマだけに、この事件を契機とした真摯な議論が望まれるのである。


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posted by 8ちゃん at 14:30| Comment(7) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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