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2013年11月26日

なかったことにしておこう

国会は、今日(11月26日)にも特定秘密法を衆院国家安全保障特別委員会において可決する見通しだ。
野党内には審議不十分として継続して委員会における審議を求める声もあるが、なにせ、絶対多数の与党である。
与党理事が、委員長に採決動議を出せば、ホイホイと議決されてしまうのである。

この法案を審議している国家安全保障特別委員会の実質的な開催日数は16日間だ。
国粋色の強い産経新聞の世論調査でさえ、82%が「慎重に審議すべき」としている法案をこんなに短い審議期間で採決していいものだろうか。

国民がこの法案に慎重なのは、法案の軸となる「特定秘密」についての具体的な定義が不透明だからである。
法案の原文をそのまま引用すると、特定秘密とは「その漏えいが我が国の安全保障に著しく支障を与えるおそれがあるため、特に秘匿することが必要であるもの」ということらしい。

だから、具体的にどんな秘密やねん。

誰もが、よく分からないまま法案は粛々と成立に向かっているのである。

しかも、その「特定秘密」を扱う人間に対しては、「適正評価制度」とい名で、その周辺の人々の調査や管理が出来ることになっていて、その調査内容も「外国への渡航歴や、ローンなどの返済状況、精神疾患などでの通院歴…等々」と多岐に渡るというから、そんな秘密に関係する人に知り合いがいたら、まるで犯罪者のように捜索や取調べを受けるかもしれないのである。

さらに、その調査は、本人の家族や同居人にも調査が及ぶ(森雅子特定秘密保護法案担当大臣の委員会答弁)こととなり、国会議員でさえもその秘密に関与できないことになるらしい。

もちろん、国防上のトップシークレットを中国の美人スパイにペラペラとしゃべるような防衛庁幹部がいては困るし、ハッカーに原子力発電所のコンピュータへのアクセスパスワードをホイホイと売り渡すようでは困るのだが、このあたりは現行の自衛隊法や国家公務員法に「守秘義務」が課されているのだから、それで対応できるはずだ。
秘密保持法推進派の主張では、その刑事罰が軽すぎるということらしいが、それなら、自衛隊法や国家公務員法の罰条を強化すればよいではないかと、私のような素直な人間は考えるのだが…。

この法案のきっかけは、尖閣における海上保安庁巡視艇と中国船の攻防がネット上に流れたことらしいのだが、言い換えれば、あんな重要な事件がネットなどに流せなくするための法案なのか。
こんなものが、「特定秘密」になるようだと、何でも「特定秘密」になりそうなのが怖い。

安倍内閣がこの法案の成立を急ぐ背景には、実際は、アメリカの強い圧力もあるようだ。

アメリカが誇る最新鋭戦闘機は、F22というものなのだが、日本がこの戦闘機を購入しようとして断られている。
その理由は、「日本は秘密を守れない。」ということだった。

アメリカが「秘密」にこだわるのは、韓国におけるモノマネ武器の量産である。
韓国は、アメリカ製の最新武器を解体して、模造品を大量生産している。
例えば、韓国製のK1A1戦車は、間違いなくアメリカ軍のエイブラムス戦車の模造品だし、対艦ミサイルや電子戦システムなどに至るまで韓国は、米国技術をネコババしているのである。

勿論、アメリカも韓国の模造には十分な注意を払って、最新鋭の武器などは韓国に売らないのだが、日本に売却した武器や装備の内容が韓国側に筒抜けで、韓国製の模造が後を絶たないと、アメリカは信じて疑わない。

このため、最近では日本に対しても最新鋭の武器は売らなくなったのである。
世界最大の武器商人であるアメリカにとって、目の前の武器売上高よりも、模造品の氾濫による売り上げ低下や価格破壊が怖いのである。

一方で、中国や北朝鮮、最近では韓国までもが日本の仮想敵国と認識している日本政府は、性能において、これらの国よりも高性能の武器や装備を手に入れたい。
そのためには、アメリカに信頼してもらうための日本における秘密保持システムを確立する必要があるのである。


さて、この法律は、国の安全保障という大義名分のもと、多岐多様な情報を「特定秘密」に指定して、それを取り扱う人を調査・管理し、それを外部に知らせたり、外部から知ろうとしたりする人などを処罰する法律である。
そして、何よりも心配なのが、「特定秘密」となった瞬間に、その事実自体が世の中から消えてしまうことである。

つまり、権力者が「秘密」というシールを張った段階から、その事実自体が世の中に知らされずに、消えるのである。
その事実の存在が分からなければ、あらゆる議論や検討は出来ない。

福島の原発事故は極めて不幸な出来事なのだが、その事故をきっかけに原発の必要性についての議論も出来るのである。
原発事故自体が「なかった」ことにしてしまえば、そんな議論も起こらないかもしれないのである。

この法律は、今後何十年もの間、「国民から見えない日本」をつくるような気がするのは私だけだろうか。


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posted by 8ちゃん at 11:24| Comment(17) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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