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2011年10月31日

TPP

大騒ぎである。
日本がTPP交渉に参加するかどうかの議論が沸騰している。
賛成派も反対派も自陣に有利な学者やデータを駆使して、自論の正当性を主張している。
現状では、TPPに参加したい財界と反対を叫ぶJAなどによる国会議員を使った代理戦争の観がある。
勿論、この問題を製造業と農業だけで考えることには違和感があるが、メディアも「わかり安い構図」として農業問題に絡めてTPPを取り上げている。

野田首相は本音ではTPPに参加したいのだろうが、争いを好まない性格から表面上は旗色を鮮明にはしていない。

さて、この問題は根が深い。

世界経済を独占的にリードしてきたアメリカは、EUや中国と言った強力なライバルの出現により「元気な」アジアと経済的に同盟を結ぶことで、世界のbPの地位を維持しようとしている。

昔からアメリカにはアジアに対して売りたい物は山ほどあったが、アジア自身に購買力がなかった。
しかし、今やアジア諸国は十分な購買力を持っているだけでなく、部品や原材料そして労働力の巨大な供給地となった。
商品を売るだけでなく、世界水準の品質と価格を実現するためには、アジアは外せない。

さらには、アジアを豊かにすることで、その資金をアメリカの金融商品に向けさせ、マネーゲームのフィーを期待しているのだ。

日本はどうか。

アメリカにとって日本のTPPへの参加は、コメ、小麦も含めて日本が騒ぐほど、日本向け農産物の関税自由化には関心を持っていない。
金融、保険を含む広範な市場を求めているのだろう。
確かに、例えば銀行法では資本金10億円があれば銀行を設立でき、国籍条項がないため、形式上は銀行は自由に設立出来る。

しかしながら、店舗を出す際の定款変更(従たる営業所の設置)は金融庁の許可事項になっており、実質的には銀行は金融庁の統制下にある。
銀行法自体はTPP批准後も残ることとなるが、銀行法は手続法なので、(国会決議を要しない)政令等による具体的緩和は比較的簡単に出来る。
保険も同様である。

しかしながら、日本国内の議論は農業一辺倒である。

今さら農業議論は遅すぎるだろう。

農業についてみれば、長年にわたって、日本の農業の長期ビジョンを置き去りにしたまま、補助金や土地改良事業などへの巨額の資金供与で農村票を確保してきた政策のツケガここにきて行き詰ったのだ。

国、公共団体等各交付主体毎の補助金の合計は一時期10兆円を超えていた。
同時期の農業総算出額も約10兆円である。
金額にも驚かされるが、10兆円の補助金を使って、10兆円の生産に終わるということは、巨額の金額が外部に流出しているのだ。
それはあらゆる補助金の窓口となってきたJAと、用地買収や農業関連公共事業に寄生虫のよう付着した利権者の手許に資金が流れたのだ。

JAなどはTPPにより「日本の農業は死滅する。」などと言っているが、公共団体の庁舎の数倍も立派なJAの建物は、共済事業、経済事業及び金融事業というファイヤーウォールのない農協3事業により、農民から搾取した金と莫大な補助金で建設された立派な建物である。
そんな金まみれの建物から聞こえてくる話には説得力はない。

真に自立できる日本の農業を構築するために、過去の巨額の資金が使用されていれば、農業従事者の高齢化と耕作放棄がこれほどまでに進むことは避けることが出来た。
少なくとも減反に費やした7兆円もの巨額の資金に何の意味があったのだろうか。

政府が無策を続ける間、農業従事者の中には真剣に明日の農業を考えてきた農業従事者もいる。
山形県東置賜郡の若者達は完全無農薬、完全有機で、ISO14001まで取得したコメ作りに取り組んでいる。
彼らには消費者の圧倒的な支持があり、TPPは彼らを世界の勝者にするかもしれないのだ。
ファーマーズ・クラブ赤とんぼ
http://akatonbo.cside5.jp/

創設者の伊藤幸蔵氏は農産物の価値に見合う価格が設定されれば、何も問題がないと言う。
5万円分の手をかけたコメには5万円の価値があり、1万3千円のコメにはその値打ちしかない。
重要なのは消費者に正確な情報が届くことだとも言う。

少し遅すぎるかもしれないが、この機会にもう一度、日本の農業を考えようではないか。
少なくとも、とりあえずTPP交渉に参加して、気に入らなければ脱退するといった考え方だけはやめたほうがよい。
判断できない指導者が議論に参加しても各国の信頼は得られないことは確実に言える。
posted by 8ちゃん at 18:03| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
初めまして、こんばんは。

TPPの問題って農業関係者の方だけの問題と思っている人も少なくないようですね^^;

まぁ、マスコミが流す程度の短い時間では全て説明できませんし、
その説明だけでは『外国産の商品が安くなる』としか思えないかもしれません。

賛否両論ありますが、どちらにするにしろ問題は山積みでしょう。

私は今の政府の外交に期待できないのが日本にとって厳しいと考えています。
(参加して好条件に出来るのか?)

それでは☆
Posted by 志桜 at 2011年11月02日 23:59
初めまして。こんばんは。

アメリカから見たアジアと日本、とても興味深く読ませていただきました。
また、日本の農業について、転換期となるよう考えていく必要があるというお考えに賛成です。
Posted by モカ at 2011年11月22日 20:36
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