あなたのひと押しで第1位へ
コメントが、書き込みにくい場合は、下のFC2版からお願いします。

2013年03月28日

勇気ある判決

1票の格差を巡る訴訟について、広島高裁及び広島高裁岡山支部の裁判官が、昨年の衆議院選挙における広島1区、2区及び岡山2区の選挙を無効とする判決を出した。
今まで、「違憲状態」あるいは「違憲」とした判決はあったものの、選挙そのものを無効とした裁判所の判断は始めてである。
裁判所も、「違憲状態じゃ!」と言い続けてきたのに、国会議員が一向に定数是正をしないから、堪忍袋の緒が切れたのだろう。

それにしても、この広島高裁や同岡山支部の裁判官は、なかなか勇気があるではないか。
最高裁が違憲判決を出しているので、判決文を書きやすかったのだろうが、選挙無効まで踏み込んだ判決はなかなか書けるものではない。
司法は三権の一翼として独立しているとはいいながらも、予算や人事があるから、政府や官僚の顔色を窺うのが普通だからだ。

裁判官の給料は任官から20年間は同期では差が出ない。
「裁判官の報酬等に関する法律」というのがあって、判事補という裁判官の補佐職が12号から始まって1号俸まで、判事が8号俸からスタートして、最高位は1号俸だ。
その上には、各高裁の長官以上の幹部裁判官の給料も定められており、最高裁長官の給料が内閣総理大臣や国会議長と同じ額となっている。
三権分立といいながら、立法府が裁判官の給料を決めるのは、おかしいような気もするのだが、まあ、法治国家ということでここは大目に見ておこう。

裁判官は任官から20年、凡そ45歳くらいで4号俸という給与ランクになるのだが、ここから3号俸への昇進は、上司や官僚の評価で差が出てくる。
この3号俸と4号俸では給料自体が月額で16万3000円違うし、賞与や手当てなんかを加算すると年間所得では、500万円の差が出るのだ。
そして、その昇進差はその後も続き、同じ年齢で年収が1千万円以上も違うことになるのである。
誰だって、給料は高い方が良いに決まっているので、裁判官といえども、上司や官僚に嫌われないようにするのだ。

そこで裁判官はどんな行動をするのか。

まず、第一に、自分の担当する事件を速いスピードで処理して、在庫(?)である係属中の事件を消化することである。
上司からも、事件の消化については厳しくチェックされるのだ。
したがって、刑事事件などは、検察官の起訴理由などを「丸呑み」して、怪しげな自白調書もホイホイ採用するのだ。
無罪主張など、被疑者が犯行を否認している場合は裁判が長期化するので、見せしめのために、軽微な犯罪にも実刑判決を出したりするアホな裁判官が多い。
このスピード主義により、毎日、多くの冤罪が生まれているのだろう。

次に、裁判官は、反体制の位置づけにある労働組合関係の判決などで、検事と違うような判決を出せば、国の幹部官僚や自民党、上司裁判官からにらまれるであろうと考える。
したがって、労働組合絡みの裁判では、検事の求める意向と違うような判決はまず出さない。
具体的には、ひたすら、検事が作成した調書のストーリーに沿った判決を出すのだ。

国を相手にする行政訴訟も同じだ。
行政訴訟というのは、行政事件に関する訴訟のことであり、公権力の行使の適法性などを争って、その取り消しや変更を求める訴訟だ。
今回の選挙における「1票の格差」の違憲性を争う訴訟も行政訴訟だ。

このような行政訴訟は、行政府が行なった(または行なわなかった)行為(不作為))に対して、「おかしいやんけ!」と異議を唱える訴訟なのだから、政府からみれば、そんなことを言うヤツは「敵」である。
このような「お上にたて突く」人間に有利な判決を下せば、その裁判官は出世は諦めるしかないのである。
したがって、広島高裁などの選挙無効の判決は画期的といえるだろう。

元々、日本では、行政訴訟が極めて少ない。
お上の言うことは絶対なのである。
日本における行政訴訟の数は、年間1800件である。
「多いやんか!」と思ったアナタ。
ドイツなどでは、年間50万件の行政訴訟が提起されているのをご存知だろうか。
ドイツだけでなく、他国では行政に対する訴訟は一般的であり、ヨーロッパの法学者が、日本において行政訴訟が極めて少ないことをテーマに論文を発表したくらいなのだ。

裁判官を取り巻くこのような情勢下で出された選挙無効の判決に対して、7月までに最高裁は判断を下すことになる。
最高裁判事は出世コースの極みであるから、選挙無効の判決は出ないとも考えられるが、世論が後押しすれば、これは分からない。

厚生労働省の村木局長の事件では、検察側の証拠改ざんがあったとはいえ、無罪の決め手は、「村木さんが正しい。」という世論の後押しがあったからである。
本来は、裁判において「真実の所在」を審理してほしいのだが、実は、こんなことで判決は変わるのである。

裁判官は神ではない。
世間の常識を知らない普通の人間なのである。


下のボタンを押すのは、「違憲」ではありません。


毒舌日記 ブログランキングへ



posted by 8ちゃん at 10:00| Comment(9) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
>下のボタンを押すのは、「違憲」ではありません。

とのことなので、安心してポチしました。
Posted by miniko at 2013年03月28日 10:47
minikoちゃん
まいど

そう。そう。
安心してポチしてや。

今日の大阪は曇りで、雨がぽちぽち。
天気予報のお姉さんは曇りって言うとったが、まあ許してやるわい。
札幌も雪ではなく、雨予報やから、ようやく春に近づいたかも知れんね。

この季節は眠いやろ。
春になると寒さに備えて厚くしていた皮下脂肪が薄くなって、その下を流れる血管が広がって、血液量が増えるから、体温を放出するねん。
身体に血液が廻る分、脳の血液量が減少して眠くなるらしいで。

まあ、眠くなったら練るのが一番やね。

いつもありがとね。

それにしても、早いコメやな。

Posted by 8ちゃん at 2013年03月28日 13:05
得たり(^^)/

判事の良識がチラリと見えた判決でしょうか。(^^)

今日は健診で、腹囲の測定時に腹を引っ込ますと言う姑息な手段を使ったんだけど、美熟女な看護師さんに脇腹を突かれて御名御璽・・・
は〜〜〜(T_T)

Posted by も〜 at 2013年03月28日 14:38
も〜さん
こんにちわ

最高裁において既に「違憲」の判断があるので、違憲とした理由などは、書きやすかったのでしょう。
ただし、最高裁の違憲判断は、格差において、一定の受忍を国民に求めています。

まあ、私は、国政選挙に「地方区」は不要と考えていますが…。

裁判官の中にも、常識、良識のある人間はいますが、そんな判決を書いた次の移動では地方に飛ばされます。
この広島高裁の裁判官も、4月1日に異動するかもしれませんね。

いつもありがとうございます。
健康診断の無事終了とブログアクセスの急増、おめでとうございます。
Posted by 8ちゃん at 2013年03月28日 15:48
こんにちは。

裁判官も公務員。上に認められるには、それなりの無理をしないといけないのですね。
最初の20年間は、給料にさが出ないというのには、びっくりしました。ある地位には、必ず行けるということですね。会社に入れば、東大クラスの社員は、捉えず部長までには必ずなるというのに似ていますね。

今日のお話も、とても勉強になりました。
ありがとうございます!

ポチッ
Posted by 元単身赴任のYH at 2013年03月28日 17:36
YHさん
こんにちわ

この3号俸と4号俸の差と言うのはかなり大きくて、調整手当(東京なら20%)、賞与、管理職手当などにすべて影響しますし、退職金の算定の基礎にもなる金額です。

高裁での合議制(3人以上の裁判官による裁判)での裁判長などまでは、4号俸でもOKですが、地裁各部の部長職は3号俸以上です。

そうですね。
一般会社では課長職まででしょうか。

いつもありがとうございます。
ポチッ
Posted by 8ちゃん at 2013年03月28日 17:57
こんばんは

勇気ある判決を出した裁判官が
これから不本意な転勤や扱いを受けなかったらええんやけど

飲酒運転による交通事故とか
女性に対する犯行とか
世論の後押しによって罪が重くなっていくことは十分納得できます
むしろ良かったと思います

でも世論の後押しってもろ刃の剣のような気がします
ちょっと怖いかも

ポチッ
Posted by 二月のあい at 2013年03月28日 21:19
8ちゃん、おはようございます (^-^)/

ようやりはった、あっぱれ( ´ ▽ ` )ノ思う反面、彼らの今後が心配やわ〜
8ちゃんが言うてはるように、異動や昇進への影響も大ありかも?しれませんね(~_~;)

裁判官の仕事を全うしよういう志がある人でも、今の現状では自分達の生活を考えれば、保身もやむなしとなってしまうのでしょうか…

日本では、お上の言うことに異議を唱える行政訴訟が極めて少ない
のは、他の国と比べてシステムに問題があるのか、はたまた国民性もあるのか?

さて、最高裁はどんな判決を下すんでしょうね(^◇^;)
Posted by グレ・チビ ママ at 2013年03月29日 09:02
二月のあいちゃん
まいど

>でも世論の後押しってもろ刃の剣のような気がします
⇒そのとおり!
そこが一番怖い所で、アホなマスコミに扇動されて、冤罪を作ったり、逆に悪人をのさばらしたりするんや。
小沢一郎の事件なんかは、本人は確かに悪そうやけど、相当無理な強制起訴やったし、マスコミは犯人扱いやったけど、無罪判決出ても、どこも謝罪とかせえへんし…。

裁判官は、居酒屋で飲んだり、アルバイトしてもうちょっと世間を知って、さらに身分は保証して、のびのびと判決文が書けるようにしてあげたいな。

いつもありがとね。




グレ・チビママちゃん
まいど

>他の国と比べてシステムに問題があるのか…。
⇒ある。ある。あるある大辞典や(古っ!)
役所の文書の開示制度も日本は遅れてるし、行政訴訟やるときの証拠物は、原告(国民)が用意せんといかんねん。
ドイツなんかは、役人は行政上のやり取りをメモする義務があるし、資料なんかは訴えがあったら、役所側が全部提出する義務があるねんで。

さて、最高裁は、恐らく夏の参議院選挙前に判決書くと思うけど、4月1日で何人かの最高裁判事が交代するから、引継ぎなんかで判決が遅れるかも知れんな。

最高裁は格差が2倍以内は合憲って言うてるけど、その「2倍」って何処から出した数字やねん。
本来は、1倍=平等が原則やんか。
これ解消するには、やっぱり国政選挙での「地方区」はヤメるべきやわ。

いつもありがとね。
Posted by 8ちゃん at 2013年03月29日 10:08
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック
この記事のランキングはこうなっています。⇒ひらめき
ご訪問、ありがとうございました。またのお越しをお待ち申しあげております。
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。