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2013年07月05日

唯我独尊

参議院議員選挙が公示された。
全国の選挙区と比例区に433人が立候補している。
昨年の衆議院議員選挙から、立候補者を擁立する政党の数が大幅に増え、もうこれは有象無象と言うか、何がなんやら分からない状態である。

政党が分散化するのは民主主義においては当たり前のことであり、自由な思想の下で十分な論戦を期待したいのだが、ここ何日かの党首討論を観ていると、余裕綽々の与党に対して、各野党のインパクトは薄く、自民党の有効な対抗軸となり得るのかどうか、甚だ疑問である。

そんな中、自民党は、6月4日にTBSに対して、報道の内容が公平さを欠いているとして、取材や幹部の番組出演を拒否すると通告したようだ。
自民党によると、TBSの報道番組「NEWS23」において、参議院で多くの重要法案が廃案となった原因が自民党にあるような論調があったというのが原因だそうな。

確かに今回の参議院の中途半端な審議は、自民、公明の与党側だけでなく、野党側にも問題があったのは事実だろう。
なぜなら、この国会は7月21日に参議院議員選挙があるのが見えている中での国会なので、与野党ともに会期末までの日程の消化といったダラダラした醜態を続けて、参議院選挙での得票を意識した言動ばかりが目立つ国会であった。

国民は、国会議員に対して極めて高い報酬(公設秘書費用を含め議員一人あたり、年間6000万円、議員全体で433億円)と巨額の政党交付金(320億円)を支払っているのだから、何があろうと会期中は「もっと働けよ!」と言いたくもなるのだが…。

重要法案が廃案となった原因は、0増5減の1票格差是正法案について、与野党の合意が出来ず、参議院予算委員会に自民、公明両党が「与野党協議をすることなく、予算委員会を開催した。」ことを理由に欠席するとともに、民主党の平田参議院議長に対する不信任決議を提出し、野党もこれに対抗して、予算委員会を欠席した安倍首相の問責決議を可決して、その後の審議に応じなかったというものだ。
こんな内容だから、余計に国民には分かりづらいのである。

とにかく、自民党はTBSの取材や番組への出演を拒否するそうである。

しかし、それはおかしいだろう。

まず第一に、自民党が今回行なったTBSへの取材、出演拒否は、自民党に不都合な報道をするなという威嚇であり、恫喝である。
この行為を正当化すれば、これから先、自民党にとって都合の悪い報道など世の中から消えてしまうかもしれない。

仮に、今回のTBSの報道内容に、間違いがあるのであれば、逆にその番組に自民党が積極的に出演して、報道内容の間違いを指摘すればよいのである。

次に、報道機関に対する取材や出演の拒否というものは、放送局や新聞社に対する行為ではない。
自民党は、テレビやニュースの向こう側には国民がいることを忘れてはいないか。
その国民の知る権利の侵害と言われても仕方がないのではないか。

ついでに、穿った見方を書いておくと、自民党がTBSを「出入り禁止」にした前日の、7月3日に、同じTBS系列の毎日新聞は、自民党の政治資金管理団体である国民政治協会が、ゼネコンなど建設業者の全国組織である「日本建設業連合会」に対して、自民党に対して、参議院選挙用として4億7100万円の政治献金を行なうよう、要請していることを共産党が指摘し、毎日新聞も取材して記事にしている。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013070402000114.html
建設業連合会の昨年の自民党(国民政治協会)への献金額は6627万円だから、今回はその7倍以上の献金を求めているのである。

不思議なことにその日にこれを取材して報道したのは、TBS系の毎日新聞だけであった。
このTBSの報道に対する報復が、今回の取材、出演拒否かもしれない。

ちなみに、今回発覚した政治献金の要請文書は、金額まで指定しており、これは強要に近いのだが、この自民党から建設業界への献金の要請文書には、献金をしてくれたら、公共事業をバンバンやりますという意味の「強靭な国土の建設へと全力で立ち向かっております。」と書かれている。
献金を貰って、見返りの公共事業をするのはどう考えても贈収賄ではないのか。


さて、今回の自民党のTBSに対する取材、出演拒否について、官房長官の定例記者会見において、「今回の自民党の対応は行き過ぎではないか」との指摘が出たが、菅官房長官は「そうは思わない」と述べている。
自民党として、不公平な報道には、今後とも毅然と対応するということなのだろう。
「毅然」と聞いて、尖閣諸島や竹島といった問題では、安倍首相や菅官房長官がかならず、「毅然とした対応」という言葉を使う。
自民党において、「毅然」とは、今回のTBSに対する威嚇や恫喝のような行動を指すのだろうか。

そして、これが自民党の憲法改正案にある表現の自由を制限する「公益及び公の秩序」というものの正体なのだろうか。

現行憲法
二十一条
集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。
2 検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。

自民党憲法改正案
第二十一条
集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、保障する。
2 前項の規定にかかわらず、公益及び公の秩序を害することを目的とした活動を行い、並びにそれを目的として結社をすることは、認められない。


衆議院で絶対的多数を獲得し、7月21日の参議院選挙においても、野党の不甲斐なさもあって圧勝が噂されている自民党は、その数を背景に日本中を自分の意に沿った国に変えていくのだろうか。

唯我独尊。

お釈迦様の「天上天下唯我独尊」という言葉は、「世の中で自分ほど偉いものはい。」といった解釈がなされることがあるが、それは違う。
本当の意味は、「この世の中で、みんなそれぞれにお互い自分というのは、かけがえのない尊い存在であり、かけがいのない尊い命である。」ということである。

政治の世界においては、この言葉だけは、誤訳してもらっては困るのである。


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ラベル:唯我独尊
posted by 8ちゃん at 16:33| Comment(6) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
おはようございます。
いつも時事に合った鋭い記事、参考にさせてもらってます。
この記事、早速拙ブログのネタにさせていただきました。(このページへのリンクを張りました。)今後とも宜しくお付き合いください。(^^)
Posted by も〜 at 2013年07月06日 07:37
おはようございます。

TBSへの出演拒否は、そういうことだったのですね。
よくわかりました。
ありがとうございます。

繁華街は、選挙カーが行きかっています。争点がいまいちわからないのですが、投票率だけは上がってほしいと思います〜。

ぽちっ
Posted by at 2013年07月06日 11:50
ご無沙汰しております。こんにちは!
往復4時間の通勤(今の仕事が好きなので辞めたくないのです。。。)と雪かきの疲れで瀕死でした。5月くらいから元気になってきて、ちょくちょく覗いていましたがなんとなくコメント残せなくて!
相変わらず、気の利いたコメントも残せませんがまたちょくちょく来ますのでよろしくお願いします!!(*^^*)記事にいっさい触れてなくて申し訳ないです。(._.)
Posted by つむり at 2013年07月06日 14:58
まいどです。

ちょうど我が家にも投票案内状が届いたところです。
まいどのことですが、8ちゃんさんの記事で勉強させてもらってます〜。
ちょっと良くわからんのですが、
「0増5減の1票の格差」の問題があるのに選挙?って思うのです。
まだ格差はあるのでしょう?
Posted by 豚侍 at 2013年07月06日 23:23
8ちゃん、おはようございます。
この件、自民党は報道局長が自民党を訪問し、TBS側から事実上の謝罪があったものとして
一時停止を解除したいうてはりますね。
ただ、TBS側は「抗議に対し文書で回答するとともに説明したが、放送内容について訂正・謝罪はしていない」とのコメントを出しましたよね。
一応自民党HPの文章張っておきま〜す。https://www.jimin.jp/activity/news/121684.html
さあ、あなたならどう思う?

まぁ、私も自民党側は取材・出演拒否するよりも、自分達の意見をはっきり言った方がいいと思いますけど、なんか今回のことは高圧的で自民党のイメージを悪くしたと思うんだけどな。

ちょっとこの場をお借りして

つむりちゃん、お久しぶりです!往復4時間はかなり大変だΣ(°Д°;どうぞご自愛下さいね。
Posted by グレ・チビママ at 2013年07月08日 07:03
も〜さん
こんにちは

こちらこそよろしくお願いいたします。

この問題で、実は一番困るのは自民党なのです。
TBSが開き直って、野党だけで討論会などを行なえばよかったのですが…。

参議院選挙は、投票率が相当低下するかもしれません。
それは、参議院自身の罪状です。
衆議院の与党が参議院で多数を占めれば、「衆議院のコピー」と揶揄され、野党が多数を占めれば「ねじれ」と批判されます。
これは参議議院が、2院制の本来の趣旨である、衆議院の牽制やチェック機関としての役割を果たさず、衆議院と何等変わらない状態だからです。
こんな参議院なら、まったく不要です。
実際に、昨年の衆議院選挙の落選者が25名もこの選挙に出ています。

野党の体たらくで選択肢がない選挙ですが、選挙権は有効に行使したいものです。

いつもありがとうございます。




YHさん
こんにちは

選挙期間中に政党がTVなど、メディアへの出演を拒否するのは異常事態です。
選挙での楽勝が見込まれる自民党には驕りがあるのでしょう。
建設業界は、公共事業がらみで自民党との関係が深い団体ですが、震災工事で空前の儲けを出していることもあって、巨額の献金要請になったのでしょう。
TBSと自民党は「手打ち」したようですが、TBSのコメントでは「謝罪していない。」とし、自民党は「謝罪と受け取った。」という意味不明の和解です。

投票率のほうは、ネット選挙により、20代前半の投票率が上昇すると言われていますが、各政党のマニュフェストでの、若者世代に対する政策はお粗末なものばかりです。
小手先ではなく、若者の政治・政策への参加への土俵作りが重要と考えます。

いつもありがとうございます。
ポチッ




つむりちゃん
まいど

ひっさしぶりやのぉ。

それにしても、往復4時間の通勤は大変やな。
電車は座れるんか?
立ったままでの片道2時間は拷問やぞ。
まさか、チャリとか、ばんえい馬車とかで通ってるんとちゃうやろな。

大阪は、昨日、今日と気温が35度やねん。
「さんじゅうごど」やで。
「さんごじゅうご」と違うねんで。

記事なんか、何も気にせんでもエエから、つむりちゃんの声聞かせてくれたらエエねん。
また、遊びに来るんやでー

いつもありがとね。




豚侍ちゃん
まいど

>まだ格差はあるのでしょう?
⇒ある。ある。
おおありや。

0増5減は、衆議院の定数やけど、結局は次回衆議院選挙(約4年後)からしか使えん法律やし、
@ 既にこの法案の計算時点である平成24年1月1日から1年半も過ぎてるから、改正しても1票の格差は2倍を越えてるし、
A 元々、アメリカの選挙みたいに「完全平等」が原則やのに最高裁が2倍以内やと違憲判決出さへんだからちゅうて、「2倍はだめで1.9倍はOK」ちゅう、考え方がおかしい。
B この法案を決めた衆議院(参議院は議決せず衆議院で再可決)の議員は、2011年に最高裁が「違憲」と認定したままの状態で、2012年の選挙で選ばれたヤツらやから、いわば違憲議員やねん。
C その昨年12月の選挙の1票の格差は、最大で2.4倍やから、違憲状態で選ばれた議員が決めた法律は、それ自体が違憲やろとも考えられるわ。

今回の参議院選挙でも、最小の鳥取県と北海道の1票の格差はなんと、4.77倍やし、4倍超えてるところが6選挙区もあるねん。

こんなんを、みんな先送りしての選挙やねん。

ワシの意見では、今の政党では参議院は不要やわ。
もっと、良識ある人が政党の枠を超えて衆議院の暴走を止めるみたいなもんにせんとイカンわ。

いつもありがとね。




グレ・チビママちゃん
まいど

>この件、自民党は報道局長が自民党を訪問し、TBS側から事実上の謝罪があったものとして一時停止を解除したいうてはりますね。
⇒YHさんへのコメ返にも書いたけど、結局は曖昧な着地やな。
それぞれの「オトナの事情」を前面に出して、国民にはわからへんままや。

そうかと思たら、テレ朝の方では、放送中に、「みんなの党の悪口言うな!」っていうメモが廻ってきたり、結局のところ、マスコミの真価が問われる事態やね。

とにかく、どこの世論調査を見ても、選挙前から自民党の圧勝が報道されてるし、野党の連中は、アベノミクスがどうのこうの一点張り…。

憲法や原発、社会保障といった問題がもっと論点になるべきやのに、このままやと選択肢のないまま、投票日を迎えることになるわ。

それにしても、昨日も、今日も、暑い!
ママがのたうち廻ってる姿が目に浮かぶわ。
しっかり水分補給するんやで。

いつもありがとね。

Posted by 8ちゃん at 2013年07月08日 11:24
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